藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

こちらは素人

*[次の世代に]納得と購入の関係。
不動産業界の友人から聞いた話。
分譲にせよ、賃貸にせよ、来場した客というのは「その客の質問に100%答える」ことでほとんど成約するのだという。
例えば「駅から遠いし」という質問には「遊歩道の緑が綺麗で、歩くのは健康にいいですよ」と返す。
「近くにコンビニがない」という質問には「車で10分の大型スーパーで買い出すと安いんです。賢い主婦は皆そうしています」と返す。
「値段が高い」「頭金がない」「間取りが気になる」「日当たりが悪い」…云々。
そんな数多の客の呟きに「全てポジティブな答えを返す」と客は「買わない理由を見つけられず」に契約するのだという。
従って「何も知らない素人」よりは「マンションや不動産のことをよく知っている人」ほどこの術中にハマりやすいということも聞いた。
恐ろしい連中である。
 
決して押し込み販売が良いとは思わないが、しかしお客に納得してモノやサービスを買ってもらうと言うのは大事なことなのだ。
 
思えば家電の量販店などに行っても、辣腕の店員は何を聞いても答えるし、しかもこちらの支払い能力を探りながら勧める商品を変えてくる人だっている。
「いやー普通の人には勧めないんですけどね」などと言って高級品を買った覚えは一度や二度ではない。
(とてもマンションでは活躍できないその高級コンポはテレビの下で眠っている)
やり手の販売員と会話するときには「アマチュアとプロ」くらいの力量の差があると思っておいた方がいい。
そもそも勝てはしない。
むやみに近づかぬことだ。
こんな話も学校では教えてくれない。