藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

所有の解放

*[次の世代に]流行を超えて。
自分の若い時を振り返って奇妙なことに気づいたのだが、若くてお金がない時ほど「いろんな買い物をしてローンを組んでいた」と思う。
例えば洋服や車、マンションや旅行の代金も気軽に分割払いにしていた。
若いから能天気だったのか、それとも若いから「将来は無限」とでも思っていたのか。
 
それが50代になり(物欲の低下もあるが)借金をして物を買うと言う事はなくなった。
それどころか「買う行為そのもの」が負担になっている。
所有の負担を感じるようになったのだ。
身近に欲しいものと、その負担を考える。
この習性は老人のそれである。
"枯れ"だ。
枯れ葉ではない。
つまりモノでも地位でも富でも権力でも、その「所有する煩わしさ」を超えてでも欲しいと思えるのが若さなのだ。
六十を過ぎると、多くの人が「健康こそが大事」という。
 
結局、ごく真っ当な価値観に落ち着いてきているのだ。