藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

邂逅(3)

*[ウェブ進化論]*[良書]構造化の教科書。

現代の教育システムを「グライダー人間と飛行機人間」に例えて見せ、はるか40年前に「問題を作り出す能力の到来」を看破していたのが外山滋比古さんだった。

読み返すとコンピューターが人の仕事をどんどん奪う、とか最近のAIブームのようなことがすらすらと予言されている。

引用するとキリがないが「大問題はヒナにかえるまでに、長い歳月のかかることがある」とか、一日を二日にしてしまう「朝飯前の生活術」とか「知の創造(クリエーション)と知のエディターシップ」とか、どれ一つとっても「うーん…」と深く考えされられとしまう話題が続く。

そしてさらに「セレンディピティ」「スクラップ」「カード・ノート」「つんどく法」「整理」「捨てる」「とにかく書いてみる」「テーマと題名」などと、こうした話題が好きな人にはたまらないテーマが並んでいる。

 

例えば「ことわざの世界」では

(個々のの経験、考えたことはそのままでは煩雑に耐えられないから)「一般化して、なるべくね普遍性の高い形にまとめておくと、同類のものが、あとあとその形と照応し、その形式を強化してくれる。つまり、自分だけの"ことわざ"のようなもものをこしらえて、それによって、自己の経験と知見、思考を統率させるのである。

 

自分がものを考える時の「頭の中の様子」が、まるで分析されて説明されているような清々しさを感じる。

 

「思考とか論理」に興味のある人には必読の書ではないだろうか。