藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

出口治明の仕事(2)

*[ウェブ進化論]脳内を連携させる本。

偉そうなタイトルですみません。

あくまで読者目線ですのでお許しを。

加藤俊徳さんという脳内科医の話を以前聞いたことがありハッとしました。

脳は番地(部位)によって働きが異なっていて、暗記をつかさどる記憶系脳番地を単体で働かせるのではなく思考を巡らせる思考系脳番地や、理解を促す理解系脳番地を連携させるのがコツです。

 

つまり、その言葉の意味や背景に共感したり、感情を動かされたりすると、大人でも比較的すんなり記憶を定着させられます。

これを「有意味記憶」と呼びます。

これですこれです。

一般の教科書や参考書は「記憶させよう」とばかりするが、一向に頭に入っていかないし、それで試験を受けるのは苦痛だったことを思い出す。

 

出口さんの本は「記憶系などいらぬその代わりに史実の影響が現代にまで及ぼした意味を理解しなさいよ」と語りかけてくるのだ。

これは前著の「哲学と宗教全史」でも全く変わらない。

 

ということはこの「"史実とその影響と現代まで"を意識しながら記述する」という方法はベストセラーを生み出す要諦、なのではないだろうか。

 

「欧州での歴史的な名君は、カエサル、フリードリヒII世、ナポレオンの三人だけです!!」と言われると、その三人の為した功績がくっきりと浮き上がってきて、そしてその他の史実が見えてくる。

 

この先も出口さんはこの方法でヒット作を生み続けるのに違いない。