フィラデルフィア管弦楽団、率いるはクリストフ・エッシェンバッハ。
久しぶりだ。
ピアノは鬼才、ラン・ラン。
髪が伸び、すでに風格が出てきたような。
2-3年前は短髪で目をくりくりさせた少年だったのに。
さて、コンチェルトの四番。
行進曲の前奏のような主題で始まる第一楽章。
ニ楽章では優雅に展開。
三楽章で再び。
元気のよい旋律が、跳ねて、踊る。
行進の列がこちらに押し寄せるようだ。
エッシェンバッハの少し控えめなリードに影響され、
ランランの演奏もいつにもましてレガート。
ラストは、左手が新しい生命を吹き込まれたように歌い出し、マーチのように勇ましく終演へ。
ラン・ラン十八番の火の出るような演奏とは一味違うベートーヴェン。
指揮者の影響だろうか、ランランの変化だろうか。