東芝はこれらの技術を組み合わせ、携帯をポケットやかばんに入れておくだけで、持ち主が今どこにいて、どんな状況なのかを判断できるようにした。
て。
例えば、朝、家の近くを歩いていれば「出勤で会社に向かう途中」、昼に会社を出れば「昼食を食べに出る」などと判断。
最寄り駅の時刻表や職場近くのグルメスポットなどを、自動的に携帯の画面に表示する仕組みだ。
アマゾンの「オススメ」だけでも、大概自分の性向を読まれているな、というのでちょっとした恐怖だが。
やはり次世代のデジタル・ネットワーク社会では、人は「誰からも知られない状態でいられること」がとても貴重な時間になる。
というか、そう言う時間がことごとくなくなるのかもしれない。
もう世の中にあまた溢れる監視カメラや、防犯カメラでも相当なものだとは思うが。(近ごろはタクシーにも乗客が記録されているし)
密着。
一番便利な携帯電話で、これをやられたらどうなるか。
身の回りのあらゆる情報がデジタル化される。
・今通勤途中、とか
・今勤務中で退屈しているからコーヒーを、とか
・昼休みに、給料日前だから安いソバを、とか
・三時のオヤツは客先からのもらいモノがあります、とか
・今の能率からいくと、もう少し残業した方がいいですよ、とか
・残業ばかりしていても、全然効率上がっていませんよ、とか
・また今日も飲むのは、身体によくないですよ、とか
・そろそろ、飲み過ぎで血中のアルコール濃度、上がり過ぎです、とか
・取り合えす、あと10分で終電なくなりますよ、とか
「隣に座った女性、最近失恋したばかりですよ」とか
「このセールスマン、過去に五回転職していますよ」とか
「そろそろあなた、人事異動がありそうですよ」とか。
これまではデジタル化がありえなかった部分まで、情報がコントロールされる世の中。
東芝の携帯電話の「行動先読み」を聞いて、そんなことを思う。
そりゃー、自分のいろんなこと。
「数値化」して、客観的に並べてみれば、ずい分いろんなことが分かるに違いない。
「ありゃ。あなた、この生活じゃ寿命は65才だよ」とか
「あの女性のこと、もう諦めたらどうですか?」とか
いろいろ「自分が客観視していないこと」などもずい分と見えてくるに違いない。
ひょっとしたら「マザー(神なる)」コンピュータという概念があり、それにに支配されるのは、そんな究極的に「数値管理された人間社会」での出来事かもしれないと思う。
もっともそうしないと、偶然性の高い、人間の支配などは極論としては難しく、しかしそれが末端まで管理できる状態になったなら、一気にデジタルが制圧できる可能性もあるのかもしれない。
数十年前には思いもしなかった、「今日の携帯電話の機能」から考えて、この先にはそんな「数値制御社会」があり得なくないな、と思う。
東芝の携帯が、日常のパートナーになる日が来るのだろうか。
ケータイが持ち主の行動先読み、情報を表示 東芝が開発
東芝は、全地球測位システム(GPS)などを使って、携帯電話が持ち主の行動を推測できる技術を開発した。
出勤するため家を出たら、最寄り駅の電車の発車時刻が自動的に携帯画面に表示されるなどの使い方ができるという。
早ければ年内にも実用化する。
最近の携帯には、位置情報が分かるGPSや、揺れや振動など端末の動きを感知する加速度センサーを内蔵した端末が増えている。
東芝はこれらの技術を組み合わせ、携帯をポケットやかばんに入れておくだけで、持ち主が今どこにいて、どんな状況なのかを判断できるようにした。例えば、朝、家の近くを歩いていれば「出勤で会社に向かう途中」、昼に会社を出れば「昼食を食べに出る」などと判断。
最寄り駅の時刻表や職場近くのグルメスポットなどを、自動的に携帯の画面に表示する仕組みだ。これまで自分で携帯を取り出し、ネットにつないで調べるなどして得ていた情報が、自動的に表示されるわけだ。
学習機能も付いており、使えば使うほど、その人の行動様式や好みに合った情報が示されるようになるという。開発に携わった東芝の担当者は「携帯が『秘書』のような役割を務めることで、持ち主の生活をより快適にできる」と話している。
今後、具体的なサービスの提供方法を検討する。(高田寛)