藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アップル丸かじり。

週刊 ダイヤモンド 2010年 5/15号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2010年 5/15号 [雑誌]


ダイヤモンドの記事。はほとんどi-Padかi-Phoneを買いましょう! という販促記事にすら見えてくる。
一メーカにフォーカスして、よく思い切った企画を組んだものである。


どのゲーム機よりも、どの携帯電話やネットブックよりも、i-Padが優れているようなトーンである。
これまでi-Phoneを横目で見ていた人たち(自分も)も、この特集を組んでグラッと来る人は多いのではないだろうか。
i-Phoneは発売以来1億5千万台を超え(さらにアンドロイド携帯が激伸しているらしいが)、i-Padは米国での発売開始から百万台を突破したという。
確かに銀座のアップルストアは行列が長くできていた。

Google書店(editor)とi-Pad。


そして。
Googleは、その蔵書400万点を超えるという「史上最大のバーチャル書店」をいよいよ開店するという。
いよいよ役者がそろってきたようである。
(amazonは応酬しないのであろうか。)


東京大学は学内のpc1100台をMacに変えたそうである。
また青学や神奈川の大学では、学部生全員に「i-Phone」を無料貸与し、また専用アプリなどの開発を促したりという試みも始まっているという。

今さら、ジョブズ


それにしても週刊ダイヤモンドの記事中、やはりスティーブ・ジョブズの天才ぶりが際立つ。
なぜ彼にだけ、「誰にもできない製品づくり」ができるのだろうか。
ウォッチャーも多数おり、ジョブズに関する本も数多くあるが、いま一つはっきりと分からない。


日本の携帯電話だって、メモリーウォークマンだって、
ノキアモトローラの携帯だって、そりゃ相当の一流どころのデザイナーが担当している。
工業デザインの世界は、それでも「さらに新しい洗練」が生まれてくるところが、さすがセンスとしか言いようがないが、それにしてもappleのデザイン力は群を抜く。
物の形やパッケージ、製品自身の使い勝手も「その他のメーカ」とは一線を画す、と誰もが認めるというのは、さらっとみな噂しているがものすごいことである。
自分がi-Podを購入したとき、そのパッケージ(包装)に何よりも驚いたことを思い出す。

ジョブズの非凡。


思うに、ジョブズ
ユーザーインターフェースの設計エンジニア
・工業デザイナー

という製品づくりの命の両輪ともいえることを同時にやってのける人、なのだろう。
だが、何か違う。
もう一つ。

「彼はそれ、をこだわり抜いた「一芸術家」のミッション」として果たしているのではあるまいか。
デザインに対する「執拗さ」が尋常でないのは、もはやデザイナーの域を超えているようである。


すい臓がんで余命半年の宣告を受けてから、奇跡の生還を見せたという55歳。
彼がいなかったら「i-Podシリーズ」も「i-Phoneもi-Padも」(今のようなクオリティでは)この世になかったかもしれない、と思うともはや歴史に影響を与えている、と言えそうだ。


ジョブズの言葉。

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

とまれ、自伝などを読むと、決してエンジニア一辺倒でもなく、また「他者からのアイデアの盗用」などものともせぬ、というあたりはジョブズの素顔が見えて興味深い。
またApple?の開発時など、コンピュータの開発そのものよりは「セールス」に重きをおき、売り込みや技術者の引き抜きには「座り込み」を辞さないという粘り強さを見せていた、というのも「ひたすら偏狭」な人物イメージが先行しがちな中で、意外なリアリストというか、ビジネスの勘どころを抑えた人物だったようである。
それにしてもジョブズがもつ「文字フォント」へのこだわりは、彼が大学で学んだカリグラフィー(書道)が源である、というのも面白い。


ジョブズの名言をいくつか。

平凡なアーティストは模倣する。
偉大なアーティストは奪う。


(ピカソの言葉を引いて)


82'/Macintosh開発チームに対して

We want to put a dent in the universe.


宇宙に衝撃を与えてやるんだ。


iMac開発話で。

普通の人にとって‘デザイン’とは、化粧張りのようなもの。
インテリア装飾だ。
カーテンやソファの表面の材質などと同じだ。
でも、私にとってはデザインはすべてに関係している。
デザインはすべての人工物の基礎となる魂のようなもので、それが外装のカタチになって現れたものなんだ。


2001/OS X発表のエキスポ講演にて。

This is an illustration of Apple standing in the intersection of liberal arts and technology.



これは、われわれがリベラル・アートとテクノロジーの接点に立つ企業であることを示している。


スタンフォード大で卒業生に向けての名スピーチより。
(Stanford Report, June 14, 2005'You've got to find what you love,' )

about death.


Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life.
Because almost everything
― all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure -
these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important.
Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose.
You are already naked.
There is no reason not to follow your heart.


死について。


周囲の期待/プライド/恥や失敗への恐れ---こうしたものすべてはわれわれが死んだ瞬間に、きれいさっぱり消え去ってしまう。
最後に残るのは本当に大事なことだけだ。
自分もいつかは死ぬんだと考えることは、失うことの怖さという落とし穴にハマらないもっとも効果的な方法だ。
君たちはすでに素っ裸だ。
意に反して生きる理由なんてどこにもない。

“If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?”
And whenever the answer has been“No” for too many days in a row,
I know I need to change something.



今日が人生の最後の日だとして、今日これからやることは本当にやりたいことか?
もし、何日もの間、『NO』という答えが続いたときは、私たちは何かを変えなければならない。


そして稀代の名スピーチはこんな言葉で終わっている。

Stay Hungry, stay Foolish.



ハングリーであれ、そしてバカであれ