藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

戦略なき若者。

学生生活から就活を経て、社会へ出てゆく若者を見ていて思う。
もうちょっと色々考えればいいのに。
戦略があまりに感じられないのである。

せん‐りゃく【戦略】
1 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。→戦術
2 組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。「経営―の欠陥」「―的人生論」「販売―を立てる」

つまり2番目の意味。
「将来を見通しての方策。」まさにその通りである。

「職業を選ぶ基準は?」と言う質問。
大体彼らはまず言う。

「まず、内定を取りたい」
「自分にスキルの付く仕事につきたい」
「より成長する企業に入りたい」

などなど。
どれも素直でよろしいが、戦略的には平坦すぎる。
”目先のハエを追いかけ過ぎている”と思う。

ただ採用担当者に「あなたのキャリア戦略は?」と尋ねられ、
「私はまず営業職で現場を経験し、その後新規商品の開発を手掛け、財務部門でファイナンスを学び、人事ではマネジメントを…」などとスラスラ述べるのもこまっしゃくれている。
そういうことではない。

将来構想の戦略、とは「どれだけ、大企業の中を「すいすいと」泳いでゆきたいか」ということではないはずである。

二十歳そこそこの若者が考えるべきは、まさに「将来を見通しての方策」である。

チンケな、資格がどうとか、どの上場企業に潜り込むか、とか、メーカーか商社か金融か、そういうことにしか目がいかないのは不幸である。(自分がそうだったので、ちょっと口はばったいけど。あえて言う。)

考えるべきは「自分や自分の周囲の人が、いかに溌溂と過ごせるようになるか」というようなことなのである。
そのためには、ただ資格の取得や、業種を問わずに「名のある企業に潜り込む」ということが、あまり正解でないことは冷静になれば良く分かる。

どんな企業に入っても、配属や環境で思い通りにならぬことの方が多いものだ。
意識すべきは、自分の資質と資産、負債。
自分にとってのバランスシートを思い浮かべることではないかと思う。
(つづく)