藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

いずれあなたの部下になりたい。

*[次の世代に]本当の将来のために
AIは配属にも導入しており、適正配置につなげています。
科学的に人材戦略を組み立てる「ピープルアナリティクス」ですね。
AIのマッチングで離職率が下がるといった効果が出ています。
ほとんどの仕事がAIに置き換わるという話の前に。
すでに人のマッチングで成果が出ているという。
なんと。
今でも人の相性は、会社の人事という一見"公(おおやけ)"の場に大きく影響する。
政治でも企業でもNPOでも介護施設でも、あるいは家族やの家族や親戚や友人関係でもだ。
人間ってなんと難しいものか。
 
それがAIの中立な判断で「客観化」できればとても便利だ。
自分が「好みで選んでいるのか」「冷静に選んでいるのか」を悩まなくて済む。
 
さらには。
「若者に喜んで働いてもらうには、どんな会社であるべきか」を問うこともできるだろう。
だから「自分より優秀な人」に来て欲しいと思う。
「いずれあなたの部下になる」「いずれあなたを部下にしましょう」という"三国志"的な大局観は必要ではないだろうか。
今の会社組織や会社法のもとでは、どんどん小粒に世知辛い体質になってしまうと思う。
人材についての価値観を変えるのは今ではないだろうか。
 
リクルートが採る「とがった人材」は 就活ホンネ対談
2019年3月26日 21:30
人材ビジネスを幅広く手掛けるリクルート。起業家を輩出している実績も相まって、昔から「とがった学生」が志望してきた。人材のプロ集団はどんなふうに学生を集め、選んでいるのか。リクルート出身の採用コンサルタントである曽和利光氏が、新卒採用部長の菊地玲氏に聞いた。
菊地玲氏(きくち・れい) 1998年リクルート入社。「東北じゃらん」編集長など旅行事業の営業と人事を経験。2011年に退社し、中小企業の役員に就く。13年リクルートライフスタイルに入社、15年から現職。
曽和氏リクルートは2012年に持ち株会社体制に移行しました。リクルートホールディングス(HD)の下、事業会社と機能会社に分社し、採用も分かれて実施していました。19年卒学生からは再び事業会社のリクルートが採用を統括して一本化しています。理由を教えてください。
菊地氏 分社化は会社として意思決定スピードを高め、各市場に集中する狙いでした。それが達成され、次の段階に進みつつあります。採用は一本化に戻しましたが、採用の基準は変えていません。主体性がある、コミットする力がある、自律性が高い――そんな学生を評価しています。
曽和氏 リクルートは離合集散を繰り返してきました。分社後はグループ会社間で採用を競い合っていましたね。
菊地氏 かつては選考開始日に学生が(グループ会社をはしごして)建物を行ったり来たりしていました。組織の変化に加え、人材の出入りも多いです。変化を楽しめない人には厳しい会社かもしれません。
曽和氏 私がリクルートにいた当時、採用ではまずローラー作戦をかけました。来た人を採るのではなく、欲しい人を探し出して採るのが基本でした。
菊地氏 分社後もエンジニアについては一括で採用してきました。我々もITやグローバルの学生イベントに足を運び、直接口説きました。それで採用実績を積み、そこからリファラル(社員の紹介)などに採用手法を広げました。
曽和利光氏(そわ・としみつ) 京都大教育卒。リクルート人事部ゼネラルマネージャー、ライフネット生命総務部長などを経て、コンサルタント事業の人材研究所を設立。
曽和氏手を抜いてはいけない部分ですよね。一方で効率を高める工夫も求められます。
菊地氏 ITと経験や勘を融合したハイブリッドなやり方を採り入れています。例えばエントリーシート(ES)の選考。人の目だけでは評価がぶれます。人工知能(AI)を活用する人事戦略部が中心となり、社内で活躍している人材の条件からESを評価する手法を導入しました。ES選考の時間を大幅に短縮できています。
AIは配属にも導入しており、適正配置につなげています。科学的に人材戦略を組み立てる「ピープルアナリティクス」ですね。AIのマッチングで離職率が下がるといった効果が出ています。
曽和氏 就職先としての人気は以前よりも上がっています。とがった人材はあまのじゃくなので、「大企業になったリクルートには行きたくない」といった声もあるのではないですか。
菊地氏 確かに就活では数万人のエントリーがあります。リクルートHDはいまや売上高2兆円なので、我々が思っている以上に大手企業と認識されていますね。
曽和氏 リクルートはかつては親に入社を反対される企業でした。理系人材をスカウトするときも、国立大学の先生から「なぜ国の金で育てた学生をリクルートに奪われるのか」などと怒られたものです。
菊地氏 学生の意識も変わったと感じています。就職先としての競合もネットビジネスであればメガベンチャーが多いですが、でも商社と比べる人もいます。
起業のハードルが下がったことの影響もあります。大学時代に起業した実績を持つ学生にとって、もはや就職はゴールではありません。私たちもそうした学生に対しては、採用という形にはこだわらず、アライアンス(協業)のような新しい組み方を模索しています。
リクルートとして採用を統合後初の内定式(2018年10月)
曽和氏以前は、起業志向が強い学生にも入社させようと口説いていました。今は元リク(リクルート出身者)や出戻りの活用も多いです。
菊地氏 私も昼はウェブデザイン会社の役員、夜はイタリア料理店のオーナーといった生活を経て出戻りました。リクルートは『公園』のような組織であるべきだと思っています。遊具がプロジェクト。社内外を問わずに人が訪れ、またそれぞれの場に帰って行く――という感じです。
曽和氏 リクルート社員のキャリア形成の意識は、世間一般とは異なるかもしれません。「触れたことがない経験は全て成長につながる」という考え方ですよね。
菊地氏 特定の目標を掲げた「登山型」のキャリアではなく、「トレッキング」でいろいろ経験しながら最終的にやりたいことを見つける人も多いです。リクルートはネットビジネスと事業推進、それから顧客に接点を持つ営業の三つどもえで価値を高めています。今後はビジネスへの関心を高めたエンジニアも出てくると思います。
曽和氏 採用活動でも個人的に関係をつくっておけば、たとえリクルートを選ばずに外資に行ったとしても、また人脈をたどって数年後には帰ってきてくれますね。
「欲しい学生を探すローラー作戦は手を抜くべきではない」というのが2人の共通認識だ
菊地氏大切なことは、自分より優秀な人材を採ることだと思っています。中には自分よりできる人材を拒否してしまう人もいますよね。そうなってはいけない。人事として「尊敬できる後輩をどれだけ集めて仲間にするか」が使命です。
曽和氏 「将来こいつの部下になってもいい」と感じる学生を採るということですよね。素直よりも生意気くらいがちょうどいい。それから、すごい若手が来たら道をあけて譲ってあげる企業文化もありますよね。
菊地氏 リクルートは「価値の源泉が人」という企業。そのはじめの一歩が採用です。採用担当は今は40人くらいでプロパーが多いですが、事業部門の人も担当し、再び事業に戻すローテーションが一部始まっています。採用の重要性を認識し、今後はみんなで採用する機運を高めます。
曽和氏 採用担当は自分の考えを学生に伝える立場であるだけに、約束したことは有言実行する必要があります。採用担当を任せることは社員に対してもトレーニングになりますね。
(構成 企業報道部 小柳優太)
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