藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自死の種族。

電車のような「絶対的な交通機関」を前にすると、自死を考える人はそれを実行に移したくなるのだろうか。
最近は地下鉄に常備されつつある駅のホームの「乗降ガード」があるだけでずい分事故率が違うらしい。

結局は「死にたい」と思う"数秒前の一瞬"を思いとどまれるかどうかで、その後の行動はずい分と違ってくるらしい。

それにしても、駅のホームの照明を「青色」に変えたら飛び込み事故が激減したという。
特に夜間はゼロ件になったという。
青色の照明や、「落ち着かせる」ということがそれほどの効果があるのなら、照明だけではなくぜひとも「落ち着かせる場所」の設置が重要である。

人間はどうやら「寄る辺ない状態」に弱いらしい。
いろいろ考える頭脳があるゆえのことだろうと思う。
そんな時に、「理由なく身を寄せる場所」がもっと多く有れば、ずい分と自分たちの気持ちは救われるのではないだろうか。

人が経済成長を志すのと同じく、心の休憩場所を作る、ということも重要になってきているという気がする。
ともかく、「青色照明」だけに頼るのではなく、心のケア環境の整備が急務になってきているに違いない。

駅ホームを青色照明にすると…飛び込みが8割減
駅のホームに「気持ちを落ち着かせる効果がある」とされる青色照明を設置すると、列車への飛び込み自殺が約84%減少すると、東京大学の沢田康幸教授(応用計量経済学)らのグループが9日、発表した。


 青色照明の自殺防止効果が科学的に証明されたのは初めてという。
 沢田教授らは、2000〜10年の首都圏の計71駅のデータを解析したところ、ホームからの飛び込み自殺は計128件あったが、ホームに青色照明が取り付けられた11駅では、設置後の自殺は昼間の1件のみ。照明を点灯させる夜間は0件だった。
 利用者数など駅の特性を考慮して試算した結果、駅ホームの自殺は、照明設置後、平均で約84%下落していたという。沢田教授は「青色照明も、ホームドアのように有効な鉄道自殺防止の方法と言える」と話した。
(2012年10月9日20時26分 読売新聞)