新政権、意外に出足は早いようで日銀と「強力な金融緩和」を協定するという。
ひえぇ。
本物のインフレターゲットである。
ドル買い介入とかではなく、ついにインフレそのものが目的になる。
来年終了し、40兆円の不良債権を生むという金融円滑化法は"禁断の薬"つまり麻薬である、と言われるが。
この「インフレ目標・金融緩和」はどこまで市場をコントロールできるのだろう。
為替というものの動きが複雑系で、この二十年以上「円高・外貨安」で苦しんできた日本が、ピタッと"インフレ2%"を制御できるのだろうか。
2%程度なら、市場や民間の「気分」で振れ得る範囲なのかもしれないが、「全く効果が出ないか、一気に通貨の価値が下がるか」という事態を引き起こしそうな気がする。
通貨価値を下げること
20年も前の経済理論では「自国の"通貨安"などを狙うのは邪道でしかない」というのが通論だった。
が、今はそれを正面切って唱える人がむしろいなくなってしまった。
国内でも同様、「貨幣価値を下げる」ということが本当に「景気を回復する」ということになるのかどうか。
すぐにも効果は(心理的なものも含めて)表れてくるだろうが、とんだ毒まんじゅうにならねばよいがと思う。
欧米がすでに何度も注入し、日本もついに参入する「国を上げての通貨操作」の結果はどうなるだろうか。
恐らく数年後からレビューされ、数十年経ったら「本末転倒の滑稽な試み」と言われるような気がしてならない。
先進国を上げての金融緩和合戦の結末はどうなるか、予想してみてはどうだろうか。
インフレ2%目標、新政権と日銀が政策協定へ
安倍新政権と日本銀行が、消費者物価の前年比上昇率2%のインフレ目標を目指し、日銀が強力な金融緩和を続けることを約束する実質的な政策協定を結ぶ方向となった。
関係筋が明らかにした。デフレ脱却に向けて政府と日銀の連携を強めるのが狙いだ。
日銀は新政権発足をにらんで19〜20日の金融政策決定会合から具体的な検討に入る。日銀は10月30日、民主党政権下で政府と「デフレ脱却に向けて連携して取り組む」ことを明記した共同文書を発表した。協定は、この文書を発展させる案を軸に、政府と日銀の役割分担と責任を明確にした上で、中長期的に2%の物価上昇率を目指す考えを明記する方向だ。
日銀は、景気に悪影響を及ぼす行き過ぎたインフレが起きないように配慮しながら、強力な金融緩和を続ける姿勢を鮮明にする。
(2012年12月18日06時35分 読売新聞)