藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

究極の厳しさと意味。

身近にいる「国際レベルのアスリートたち」に聞くと、その筋力トレーニングや食事、睡眠、ストレッチ、そして競技と、行動の管理はまさにプロフェッショナルで24時間の統制が必要になるようである。

またその中で女性は体調に変化が起きやすく、月経異常やまた骨粗しょう症の悩みなどが多い、と以前聞いたことがある。
そんな記事が朝日に掲載されたが、注目は「女性ホルモンと骨の関係」だという。
女性ホルモンの分泌が制限されると、「骨密度」が小さくなり、また女性では50代には多くみられる骨粗鬆症の症状がでるということである。

科学が進み、徹底的に機能を追求するアスリートは、一方で「女性ホルモンとの戦い」を強いられている、ということで、これからの女性のスポーツの在り方、ということにも「ただ記録だけを追求する」ということではない見解が出てくるのかもしれない。

一芸を追求する、ということはそうした狂気をも辞さない努力がつきものだけれど、「それ」が常識になってしまうのも本末転倒であろう。
今一度スポーツそのものの意義について、ただ記録を追求することではない価値観が形成されてゆく時代になるのかもしれない。

ただ数字だけ、ただ勝利だけ、という価値観が別のものにとって代わる日は案外近いのではないだろうか。

女性トップアスリート、4割月経異常 学会が治療支援へ
【阿部彰芳】国内の女性トップ運動選手の4割が月経周期に異常があり、1割は無月経になっていることが、国立スポーツ科学センターの調査で分かった。無月経が続くと、体内の女性ホルモンが減って疲労骨折や不妊症のリスクが高まる。東京五輪を控え産婦人科医らもサポートが必要と判断し、日本産科婦人科学会(日産婦)としても実態を調べて、ドーピングの心配がない薬による治療や相談体制作りを進める。

調査対象は、ロンドン五輪の選手と47競技団体の強化指定選手の計683人。2011年4月〜12年5月の受診記録を分析した。この結果、40・7%にあたる278人が月経周期に異常があり、うち53人は無月経だった。また、15歳までに初経がなかった選手は12・6%で、都内の高校生を対象にした過去の調査の0・3%より大幅に高かった。

15歳を過ぎても初経がなかったり、月経が3カ月以上、止まったりすると無月経と診断される。体内の女性ホルモンが減ると骨がもろくなる。今回の調査でも、月経が正常な10代では疲労骨折の経験者は1割だったが、無月経では4割近くが疲労骨折の経験があった。

同センター婦人科医の能瀬さやかさんによると、無月経の詳しい原因ははっきりしないが、体脂肪の低下などで、卵巣からのホルモン分泌が低下すると考えられるという。

産婦人科医らでつくる日産婦は8月末に「女性アスリートのヘルスケア小委員会」を設置。全国レベルの選手と、コーチやトレーナーにアンケートをして健康問題を洗い出す。選手には月経の状況や骨量、心理状態などを尋ね、コーチには選手の体調不良にどう対応しているか聞く。小委員長の久保田俊郎・東京医科歯科大大学院教授は「東京五輪の開催も決まり、日産婦として全面的に支える体制を作りたい」と話す。