藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

クレジットの憂鬱。

日経より。
進むデジタルIDの共用化と、「その先のデータの流用」について。

IPアドレス
使用OS。
使用ブラウザ。
スマホタブレットの種類。
電話番号。
アドレス帳。
位置情報。
ウェブ閲覧の履歴。
検索語の履歴。
文字入力の履歴。
買い物の履歴。
電子マネーの履歴。
ポイントの履歴。

スマホタブレットを使おうが、自宅PCだろうが、会社だろうが、音楽専用i-Podだろうが。
もう「すべての自分の行動」の八割がたはウェブ事業者に集約していると考えてよい。

さらに街中のいろんな画像情報とか、位置情報とかも考慮すれば、もう自分で紙に書いた手紙くらいしか「完全に周囲から隔離されたもの」はない時代になってしまった。

クラウド化にとどめをさすこの変化が起こったのはここ五年、いや三年いや二年くらいのことである。
まるで伝染病が伝播するように、一気に浸透するところがいかにもデジタルの威力を感じる。

そんな中、まだ覇権を独占した企業はいないが、IDとか個人認証・決済の集約化が加速している。
自分たちは近い将来は「3つか4つくらい」のIDパスワードを使いながら、日常のあらゆるデジタル業務や、日常の生活を送ることになるだろう。

最終的にそれが一つにまとまるのは少し時間がかかると思うが、その「3つか4つ」にGoogleとかamazonが入ってくるのは確実なようである。
今はまだ隆盛を誇っているクレジットカードやネットのクレジット決済が、新興のデジタル業者に一気に取って代わられるということも十分ありうるだろう。

共存しているパートナーの片方が「自前でやろうとする」というのはよくある話。
クレジット業界に激震が走る日はそう遠くないのではないだろうか。

検索履歴なぜバレる 便利なアカウントの「裏事情」
ネット怪現象の真実(上)

2014/7/2 7:00
日本経済新聞 電子版
日経パソコン

パソコンやネットを利用すると、ユーザーが気付かぬうちに、複数の機器やサービスが勝手につながり、個人情報や各種データをやり取りしていることがある。この“怪現象”の原因は、アカウントにある。パソコンやSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)のアカウントの実態を解明し、対処法を2回にわたって紹介する。

パソコンやスマートフォンスマホ)を使っていると、時々、予期しない情報が表示されて驚かされることがある。「なぜこんな情報まで表示されるのか」「いつの間に個人情報を知られたのだろう」といった不安や疑問を感じた経験もあるのではないだろうか(図1)。

原因は、SNSや通販サイトを利用する際に作成したアカウントにある。アカウントとは、「Googleアカウント」「Microsoftアカウント」「Apple ID」「Facebookアカウント」といった、サービスやアプリを利用する際に作成する登録情報のこと。多くのユーザーはアカウントを、自宅のパソコンだけでなく、携帯用のパソコンやスマホなどにも設定し、複数の機器でサービスを利用するようになってきた。

このアカウントに基づいて、ユーザーに関するデータや履歴が、気付かぬうちに同期されている。サービス事業者は、サービスをより便利にするため、または商品をアピールするために、こうした仕組みを提供している。

つまりアカウントを軸に、機器やサービスがつながっているのだ。

■情報は勝手に蓄積される
今やアカウントには、自分が登録したメールアドレスや住所だけでなく、さまざまな情報が蓄積され、管理されている(図2)。ユーザーが使っている機器やソフトウエアの情報、Webサイトの閲覧履歴や検索履歴、位置情報などがそうだ。

しかしユーザーの多くは、こうした情報を事業者がどのように取得し、管理しているのかについて知らない。アカウント作成時に同意する「利用規約」や、サービス事業者が公開する「プライバシーポリシー」には記載されていることもあるが、それらを確認しているユーザーはほとんどいない。

アカウントそのものも複雑になっている。1つのアカウントで、パソコンやスマホを管理したり、オンラインストレージやIP電話が利用できたりする(図3)。SNSのアカウントで別のSNSを利用できたりもする。

アカウントによるトラブルは、アカウントをよく理解し、情報や機能をコントロールするすべを知ることで解決できる。

■便利の裏にトラブルの危険性
それでは、利用者が多いGoogleアカウントを例に、アカウントの謎に迫ってみよう。
Googleアカウントは、米グーグルが提供する各種サービスを利用するためのアカウントだ。メールアドレスとパスワードでログインすると、検索サービスはもちろん、メールサービス「Gmail」や、オンラインストレージ「Googleドライブ」、地図サービス「Googleマップ」などを、より便利に利用できる。

さらに、Android(アンドロイド)を搭載したススマホタブレットを管理するアカウントとしてもおなじみだ。初期設定時には必ず、Googleアカウントの情報入力や作成を求められる。設定しておけば、アプリやコンテンツの配信サービス「Google Play」を利用できる仕組みになっている。

さまざまなサービスや機器を1つのアカウントで利用できるので便利だ。しかし使い方を誤ると、思わぬトラブルが発生してしまうこともある。Googleアカウントで、どういった情報がどのように扱われているかを知っておく必要がある。

■アカウントにひも付く
グーグルのサービスで最も利用頻度が高いのは、Google検索だろう。ただし何気なく使っていると、どんな語句で検索したかの履歴が、家族や職場の同僚にもバレてしまうので注意が必要だ。

Googleアカウントでログインし、Google検索を利用すると、その履歴は、同じGoogleアカウントで使用しているパソコンやスマホにも、検索ワードの候補として自動的に表示される(図4)。

家族のスマホに同じGoogleアカウントを設定して持たせている場合などに、この現象が発生する。自宅で検索した検索ワードが職場のパソコンにも表示されてしまう。自分以外に知られたくない検索ワードがある場合は、気を付けておきたい。

■さまざまな情報をひも付けて管理
プッシュ型の情報通知アプリ「Google Now」を使っているスマホでは、Google検索の履歴を基に、自動的に行き先案内を調べ、画面に表示する。スマホのユーザーは、検索した覚えのない表示に、驚いてしまうだろう。

カギとなっているのは、Googleアカウントだ。グーグルのサービスは、Googleアカウントにユーザーのさまざまな情報をひも付けて管理している。検索の履歴だけでなく、Gmailで使っているアドレス帳、音楽や電子書籍の購入履歴、使用している機器の情報などが、グーグルのシステムで保管されている。


同じGoogleアカウントを使ってログインした機器は、こうした情報を自動的に共有する仕組みになっている(図5)。検索履歴はその一つだ。Googleアカウントをプライベートと職場で使い分けたり、家族などと共同しないようにすることで、検索履歴によるトラブルはある程度、回避できる。

■履歴は全て残っている
グーグルがどんな情報を管理しているのかを、確認しておこう。グーグルもユーザーに黙って検索履歴を保管し、共有しているわけではない。ユーザーが自分の履歴を確認する方法も提供している。

パソコンで、グーグルのWebサイトの右上にあるアカウント画像をクリックすると表示されるポップアップウインドウで「アカウント」を選択。「データツール」タブをクリックし、「ダッシュボード」→「ウェブ履歴」を選ぶ。すると、ログインしているGoogleアカウントによる、これまでの検索履歴が全て表示される(図6)。

検索した語句と、検索結果ページから実際にアクセスしたWebサイトのタイトルとURLが、検索日時、時間とともに保存されている。また、時間帯別、曜日別の利用数は棒グラフで表示。これまでの検索ワードのトップ5、アクセス先のトップ5まで表示される。

このように記録されるのは、もちろんパソコンからの検索結果だけではない。スマホタブレットからの検索操作も、同じGoogleアカウントであれば、同じように逐一記録される。

グーグルのこのほかのサービスについても、ユーザーの利用状況や履歴を記録している。例えば、Androidスマホの利用状況。機種や端末ID(IMEI)、最後に利用した日時などが履歴として保存されている。

位置情報も記録する。GPS全地球測位システム)などの位置測定機能をオンにしていた場合に、どこでスマホを利用していたかの位置情報をグーグルのシステムが保存。Webサイトで確認できるようになっている。前述のデータツール画面から「ダッシュボード」を選び「ロケーション履歴を表示」をクリックする。

すると、スマホを使用した場所を、Googleマップマッピングして表示する。スマホを常に携帯しているユーザーなら、どこを移動したかが丸わかりだ(図7)。移動した距離まで計測して表示する。表示するロケーション履歴の期間は、画面左上のカレンダーで期間を指定することで、変更できる。

■履歴を残さない
こうした履歴は自動的に記録されるものの、Googleアカウントを利用するユーザーしか閲覧できないようになっている。設定を変更すれば、履歴を一切記録しないように指定することも可能だ。

ウェブ検索履歴の画面右上にある、歯車アイコンから、「設定」を選択。すると、Google検索の履歴をオフにするボタンが表示される(図8)。いったんオフにすると、その後検索履歴は保存されない。過去の履歴についても、不要なら削除しておくとよい。

もし一時的に検索履歴を記録しないようにしたいということであれば、Googleアカウントからログアウトするか、Webブラウザーの「シークレットモード」を利用するとよいだろう。シークレットモードは、「Internet Explorer」や「Chrome」、「Firefox」といった主要なWebブラウザーが搭載する機能で、Web履歴やクッキー(Cookie)などを一切保存しない、特別な動作モードのことだ。友人のパソコンを少し借りるような場合は、便利かもしれない。

ロケーション履歴も、無効にすることが可能だ。先ほどのロケーション履歴表示画面の右上にある歯車アイコンから「設定」を選択。すると、ロケーション履歴の保存を無効にする画面が表示される(図9)。もしこれまでの履歴を削除しておきたいなら別途、ロケーション履歴のページで「すべての履歴を削除」をしておこう。

ダッシュボードで一覧
グーグルが、自分のアカウントについてどのような情報を保持し、管理しているかは、グーグルがWebサイトで公開している「利用規約」や「プライバシーポリシー」に記載がある。このうち利用規約は、Googleアカウントを作成する際に、画面に表示され、内容を確認したユーザーのみサービスを利用できる決まりになっている。ただ、長文で分かりにくさは否めない。

手っ取り早く情報を確認したいなら、「ダッシュボード」を確認するとよい。グーグルのWebサイトの右上にあるアカウントアイコンから、「アカウント」を選び、「データツール」タブの「アカウントデータを表示」をクリックする。すると、自分のアカウントでどんな情報が管理されているかが一覧表示される(図10)。

項目数は、そのGoogleアカウントで利用しているサービスによっても変わるが、20以上もある。一つひとつを見ていくと、自分の履歴や、それをどのように利用する設定になっているかを確認できる。

ダッシュボードで表示されるこれらの情報は、「アカウント アクティビティ」と呼ばれる。画面の上方向にあるチェックボックスにチェックを入れておくと、毎月、情報を確認するよう促すアラートメールがGmailのアドレスに送信されてくるので便利だ。

日経パソコン 八木玲子・福田崇男)
[日経パソコン 2014年5月12日号の記事を基に再構成]