藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

理由私次第、になる時代。

一体新しい国立競技場の見積もりは、いつどこで倍以上の価格差になってしまったのか。
という大きな謎もあるけれど夫婦の関係もますます多様性を極めている。
asahiより。

友人の弁護士にも聞いていた。

 「ふわっとした理由が増えてきた」。そう話すのは離婚問題に詳しい堀井亜生(あおい)弁護士だ。

何か、一世代前なら貧困とか暴力とか薬物依存とか、確たる理由があった離婚相談が「人生相談」のようになっているという。
切羽詰まった生活や経済的な理由がなくなれば、その次にはもっと曖昧な理由が台頭してくるのだろうか。

漠然と「嫌いになった」という理由が増えているという。

それだけ他人との関係に「曖昧な余裕」が持てるようになった時代だということのようだが、改めて今の時代に友人、異性、家族について「どういうスタンスでいるのか」ということが問われてくるのかもしれない。
特に家族、カップル、夫婦、親子兄弟、といった濃い血縁関係には「お互いの考えを交流する」ということがこれからは必要になってくるのではないだろうか。

曖昧な関係は、段々と互いの意思疎通を失い、いつの間にか断絶へと変わってゆくようである。
ことの原因がシビアでなくなればそれなりに、コミュニケーションの問題はより高度さが求められてくるのだろう。
「それなりの断絶」についてはそれなりの不満、も蓄積されてくるようである。

(ニュースQ3)どうして別れるの? 昨今の離婚事情

「おしどり夫婦」で知られた芸能人の離婚騒動を先月、スポーツ紙が報じた。「モラハラ」という言葉も飛び出した。昨今の離婚事情はどうなっているのか。

 ■あの夫婦にいったい何が
 「なんで裁判なのか、びっくりしている」。1月半ば、ミュージシャンの高橋ジョージさんが話す様子をワイドショーが伝えた。別の場所で取材に応じた妻で女優の三船美佳さんは「新しい道を切り開いていく」と晴れやかな表情で語っていた。
 2人の所属事務所によると、三船さんは高橋さんとの離婚を決意。家裁での調停は不成立となり、娘の親権などを巡り裁判が予定されているという。高橋さんによる「モラル・ハラスメント(モラハラ)」が原因との報道もあったが、事務所は「把握していない」。
 モラハラとは何か。過去20年で3万5千件の男女の相談を受けてきた夫婦問題評論家の池内ひろ美さん(53)によると「言葉の暴力や精神的に追い詰めるいじめのような行為。10年ぐらい前から主に男性によるものが目立つ」という。

 ■妻の発言力、強まるケース
 厚生労働省の人口動態統計によれば、婚姻件数同様、離婚件数も最近は減少傾向で、2002年の28万9836件をピークに、13年は23万1383件。
 離婚調停などについてまとめた司法統計では、「(相手からの)暴力」を理由に挙げた妻は00〜12年度は1万3千〜1万4千件。13年度は1万2千件を切った。一方、夫は00年度の882件が13年度は1492件。妻からの暴力を訴える夫が増えているのだ。
 妻からのモラハラも。「あなたの給料じゃ子どもを塾にやれない」。妻からそんな愚痴を何度も聞かされるのがつらい――。
 テレビなどで男女関係の問題についてコメントしている二松まゆみさん(54)がこんな相談を30代の会社員男性から受けたのは昨年夏。自信を持てない夫が「発言力」の強まった妻から不満を言われるがままになっているケースが多いという。40代前半までの夫婦を中心にセックスレスも増えているといい、いずれも夫婦仲に影響し、離婚に発展することもある。
 「ふわっとした理由が増えてきた」。そう話すのは離婚問題に詳しい堀井亜生(あおい)弁護士だ。浮気、暴力、借金といった明確な理由ではなく、漠然と「嫌いになった」という人が20〜30代、特に女性に多いという。「出会いから会話までネットで済ませて、相手をよく吟味しない。人間関係が希薄になり、結婚観や離婚観も揺らいでいる」

 ■変わらないかけがえなさ
 どうしたらいいのか。
 現在放送中のNHKドラマ「全力離婚相談」はDV、モラハラなど昨今の離婚事情を描いている。
 真矢みきさん演じる主人公は、法律事務所をやめ離婚相談室を開くと、クライアントだけでなく、もう一方のパートナーにも耳を傾ける。青木信也チーフ・プロデューサー(49)は「そこがミソです」と言う。
 互いに向き合い、言い分を聞く。当たり前だが時に難しい大切なことに気づかせてくれる。「夫婦にもいろいろな形が生まれ、離婚も珍しくなくなったけど、たくさんの人の中から結ばれた、かけがえのない関係であることに変わりはありません」(清水大輔