*[ウェブ進化論]行政×IT。
「一律十万円給付」が早くも問題になっている。
しかし理由を聞けば無理もない。
配る先にはそれぞれの事情がある。
それにしても国や行政が「国民すべて」にまで何かをしようとすると、必ずこうした問題にぶち当たる。
行政府の人は辟易しているかも知れないが、こうした問題はずっとついて回っている。
国からの給付とか、生活保護とか免除とかいった制度を「広く、不公平なく行き渡らせるため」には今の制度は必要なのだろう。
だが、「不正に給付しない」とか「給付の使途を監視する」とか行政が「監視のための監視」に腐心しているのは本末転倒である。
行政には行政の理屈がある、というのだからむしろここはITで解決を図るのが近道ではないだろうか。
そもそも「保護を受ける人を見張る」ということが非効率そのものである。
今の生活保護のように「受給の適格性」を判断するのも人力では実に非効率。
「どのような人に支給するか」「どのような使い途なら妥当か」「支給後の生活に役立っているか」というようなことをコンピューターに集めて判断すれば、今の人での仕事は激減するだろうと思う。
お役所は「自分の仕事を作る」という発想で仕事をする傾向がある。(もちろん一般企業でもよくある)
実は機械でできる仕事、をしている人には、どんどん新しい分野にチャレンジを促すような仕組みが求められるだろう。
そして本人もそのほうが断然楽しいのに違いない。
10万円給付「世帯主が申請」に不安の声、DV被害者はどうすればもらえる? 総務省に聞いた
4/21(火) 14:51配信
発表によると、給付の対象は、住民基本台帳に記載されているすべての人。給付を受けるには申請が必要で、世帯主が代表して、郵送もしくはオンラインで、家族分を含め市区町村に申請するという。
しかし、世帯主が家族分を一括申請することに対して、DV家庭の被害者らからは不安の声が上がり、「世帯分離」を勧めるツイートが4月21日午前にトレンド入りするなど、波紋が広がっている。
どうすれば、世帯主に10万円を奪われずに済むのか、担当する総務省に聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
●「夫がギャンブル好き」「父親に奪われる」と不安の声
現金給付などをめぐり、立憲民主党や国民民主党、社民党などは、DVや児童虐待の悪化が懸念されていることから、「世帯単位ではなく個人単位での支援策の実施」を求めてきた。しかし、政府が発表したのは、世帯単位での申請だった。
「世帯主にまとめることで、新たな問題を抱え込む。離婚協議中のひとり親世帯や、DV等が理由で別居しているケースをどう扱うのか。施設入所中の高齢者の留守宅は ? 92万自治体・49万世帯には数多く簡単にはいかないケースがある」
また、SNSやインターネット掲示板には、「夫からDVを受けて別居しているが、住民票は移していないから申請できるか不安」「夫が浪費家のギャンブラー。どうやって自分と子どもの分を確保したら良いかわからない」といった妻たちの声が寄せられた。
ほかにも、ツイッターでは、「全て父親にとられることが目に見えていて辛い。取られるくらいなら申請したくない」「毒親持ち世帯で10万貰えなさそうな子は今すぐ役所に行って世帯分離して」といった虐待を受けていると思われる子どもからの投稿も見られた。
●「世帯分離」以外に方法はある?
総務省の説明には、「配偶者からの暴力を理由に避難し、配偶者と生計を別にしている者及びその同伴者であって、基準日において居住している市区町村にその住民票を移していないものについては、一定の要件を満たし、その旨を申し出た場合には、当該市区町村において給付対象とする」とある。
住民票を移していなくてもDV被害者が別居している場合は、現在住んでいる自治体で申請することができる。
しかし、DV加害者が世帯主で、同居しているケースはどうすればよいのかは説明されず、「世帯分離」を勧めるツイートが注目を集めた。
「世帯分離」とは、引っ越しすることなく、今の世帯から世帯員(世帯主以外の家族)を分けて新しい世帯を設けることである。ただし、国民健康保険料が増える可能性があるなどのデメリットもある。ほかに方法はないのか、総務省の特別定額給付金室に聞いた。
担当者によると、引っ越しや避難ができないまま、世帯主からDVや虐待を受けている家族の場合、「DVを理由に避難している方と同じように、現在住んでいらっしゃる自治体に申し出をおこない、一定の要件を満たしていれば、世帯主には渡さないかたちで受給が可能です」という。
一定の要件とは、DVを受けているという証明書が想定されており、各地の配偶者暴力相談支援センターや婦人相談所など交付を受けることができるという。
担当者は「詳細な方法については、近日中に示す予定です。総務省のサイトで掲載したいと考えています」と話している。
●DVの増加懸念から、新たに相談窓口スタート
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、家庭での暴力の増加や深刻化が懸念されることから、総務省は4月20日、従来の相談窓口に加えて、新たにチャットなどで相談できる「DV相談+」( https://soudanplus.jp/) をスタートさせた。
弁護士ドットコムニュース編集部
最終更新:4/21(火) 21:49