本棚の整理をしていて太宰とか近松とか、心中ものの本をふと手に取った。
まぁ(自分には)有り得んなぁ…と思いつつもそういう「非日常」に引き込むところが名作のすごいところだ。
そういえば「男はつらいよ」シリーズでヒロインがあまりに平凡な男性と結婚することになり「私はもう燃えるような恋もしないわ」と呟いていたのを思い出す。名作は映画でもやはりよくできている。
本を閉じてふと思う。
どっちやねん。
燃えるような恋愛で、その果てには平凡な日常があるよりも、逆境や背徳をエネルギーに変えて「そっち」に向かうのか。
たとえその先には"無理心中"なんかが待っていようとも。
激しい恋愛という「タネ」がどんどん燃え広がっていくようだ。
そしてどこか円満よりも破滅へと向かうことに酔ってしまう心理が人には潜んでいるようだ。
ちょっと押してみたいけど決して押してはいけないスイッチ。
押さずに眺めていましょうか。