藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

行政に頼らず。

介護というと「介護をする人」のことが話題に上るけれど、現場を見ていると問題の本質は「介護をされる人」にあるとつくづく思う。
タイトルに「介護の品格」と流行りっぽいのをつけようと思ったが、品格の意味する「気高さ・上品さ」よりはまだまだ手前の「覚悟」が足りないと思えるのだ。

戦後70年。
身近で災害でもない人災で、大量に人が死ぬという体験がない世代がメジャーになった。
今度は死に方が分からない。

というか未曾有の「長い時代」を前にして戸惑っている感じがする。
高齢者本人も、政治も行政も。
そしてその子供世代も。

みんなが「どうするどうする」とオドオドしているうちに「最大公約数の意見ばかり」を集めたら今の医療・介護制度になったのに違いない。

医療保険の本人負担をあげれば「高齢者票」を失う。
しかし将来の保障をしなければ「中年の票」を失う。
けれど(教育費など)若手の待遇を手厚しなければ「若手の票」を失う。

ここは一発、高齢者自身がバシッと覚悟を表明する必要があるな、と思っている。
そしてそんな覚悟を自分たち予備軍が引き継いでいかないと、今のような「社会保障費増大の連鎖」は収まっていかないだろう。

どこまでの介護が必要か、という問いはそのまま「どんな形の最期を望むか」ということだ。
若い奴にそこを見せたいものだと思う。

介護離職防げ 法律より手厚く、企業が休業・有給制度 第一生命や日立
 介護に直面する社員の退職を防ぐため、企業が多様な働き方を念頭に置いた支援制度を整え始めた。第一生命保険は介護休業について730日を上限に回数無制限とする制度を整備。花王パナソニックは有給で休める仕組みを設ける。日本の介護離職者は既に年10万人、予備軍は100万人とも見込まれる。貴重な戦力である社員のつなぎ留めが重要な経営課題に浮上している。

 育児・介護休業法は労働者に介護休業を取る権利を認め、事業主は拒めないと定める。社員は通算93日まで3回まで分割して休める。第一生命ではこれを730日に延長し回数も無制限とした。

 同社の社員の平均年齢は46歳で、介護に追われやすい50歳以上の社員は4割を占める。「近い将来に介護に直面する社員が増加することを想定し、十分な安心感を与えるため」(人事担当)とし、法律より大幅に手厚い制度にした。悪用のリスクを恐れるよりも、離職予防の方が経営上、重要な課題だと判断した。

 実際の介護では施設が満床で入れなかったり、退去を求められたりする事態が起きる。ヘルパー代は高く、自宅介護を平日全て依頼するのは現実的ではない。特に都心部は施設と介護者が不足する。介護休業の日数や回数が限られている場合、社員が介護と仕事の選択を迫られ、やむなく退職するリスクは残る。第一生命の何回でも休業できる制度は働き方の柔軟性を高め、仕事と介護を両立しやすくする。

 このほか明治安田生命保険も2016年春に介護休業を通算1年から2年に拡大。イオンも2年の介護休業を認める。

 介護休業中は基本は無給だ。このなかでパナソニックは介護休業(同社は通算1年)の期間中、6カ月は基準内賃金の7割、それ以降は4割支給する制度を整備した。日立製作所も16年春から介護休業(同1年)のうち9カ月は給与の5割を支給する。

 国の制度では雇用保険被保険者の会社員は、介護休業中に介護休業給付金(賃金月額の67%)を受け取れる。ただし、期間は法律が休業を認める93日間だ。両社の支援は大幅に手厚くなる。

 休業よりも日常で使いやすい休暇制度を整える企業も出てきた。日本マイクロソフトは9月から、介護目的で年20日休める有給休暇を新設した。花王も1月から介護のために、最大年40日休める有給休暇を設けた。両社とも年次有給休暇(最大年20日)とは別のもので、合わせて使える。

 介護離職者は年10万人前後。既にこの10年で累計100万人になった。明治安田生活福祉研究所の試算によると予備軍は98万人にのぼる見通し。

 現在、介護・支援を必要とする65歳以上は約600万人で、過去15年で3倍弱に急増してきた。日本全体の就業者数(約6300万人)のおよそ10人に1人が直面する割合にまで高まっている。