「あいつは俺を見てチャンスがたくさんあるな、といった」。
自分はそんな風には到底思えていなかった。
これいかに。
自分たちには自我がある。
だから「自分のことを一番」に考えてしまう。
自分を守ろうともする。
保身も考える。
すると。
自由に動けなくなる。
もういい年をした人たちは特にそうだが。
しかし、その話をしたいのは若い人にだ。
えぇいもう両方だ。
中年以降のおじさんおばさんたち。
もう人生でいろいろ経験もしているし。
それなりに背負っているものだってあるし。
もう若い頃じゃないのだから、夢とか将来のことってあんまり考える気にもなれない。
勝手に。
「自分で」年を取っている、私たち。
「年だから」というのは自分の考えを制限する魔法のワードだったのだ。
(つづく)