藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自由こそ

*[政治]究極の言葉。
香港がデモで揺れ、中国が苦慮している。
中国が世界第二の経済大国になり、今ほどの存在になるとは思わなかった人は多いだろう。
自分などもここ数十年、「独裁主義の遅れた国」だと思っていた。
けれど、リーダーたちの工夫の結果、ムクムクと経済成長を遂げてきた。
相変わらず独裁主義のままでだ。
 
けれどおそらく、今の政治スタイルのままで、中国が欧米やアジアの本当の仲間やリーダーになることはないのではないだろうか。
「政治の自由がない国」のままで「自由な国たち」と付き合っていくのは難しいだろう。
世界中の国の人たちは、貿易とか経済とかだけでつながっているのではない。
国民が政治を選ぶ自由、つまり「自由」という究極の"自己選択ワード"なくしては、いくら経済が豊かになっても国は治まらないと思う。
これからの中国は、いよいよそんな瀬戸際に臨むのではないだろうか。
春秋
李文足さんのことをこの欄で書いたのは半年ほど前。「国家政権転覆罪」をおかしたとして、ことし1月に懲役4年6月の実刑判決を受けた中国の人権派弁護士、王全璋氏の妻である。先月末、当局の許可がようやく下りて、実に4年ぶりに夫と面会することができた。
▼大阪での米中首脳会談を間近にひかえたタイミングで実現した王氏との対面はしかし、李さんを恐怖させた。「夫は穏やかな性格だったのに、私の話をさえぎってまくしたてた」「今後2カ月は面会に来るなと言われた」「記憶力が弱っていた」「ロボットのようだった」……。脅迫や拷問、薬物の投与を、李さんは疑う。
▼中国で当局に拘束されるとどんな目にあうかわからない。王氏や李さんの経験が象徴するそんな恐怖こそは、香港で盛り上がってきたデモの原動力だろう。香港で身柄を拘束した容疑者の大陸への引き渡しに道を開く「逃亡犯条例」改正案に、多くの市民がおそれおののき、過去最大規模の街頭行動に繰り出したのである。
▼逃亡犯条例は臨終の眠りについた――。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は9日に、改正を断念する考えを明らかにした。それでもなおデモの機運がくすぶるのは、市民の恐怖の深さの表れである。中国の習近平国家主席はかつて「あらゆる司法案件で公平と正義を感じられるように」する、と語ったこともあるのだが。