藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

日経産業より。
貨幣処理機メーカーの雄、グローリーが「販売機による無人化」で攻勢をかけているという。
もう日常でリアルな貨幣を見ない日も珍しくないような生活になっているけれど、この先はどうなるだろうか。
回転ずしではないが、飲食店も小売店もどんどん"人"がいなくなるのは間違いないだろう。
そうすると端末は残る、だろうか。

まあ端末は一度設置すればそんなに維持費はかからないと思うけれど、端末自体は何十万円もする。

端末もアプリに一気に置きかわるのではないだろうか。
ファストフード店などでは、物流業者が荷物を解いて納品すれば「完全無人店舗」だってできるかもしれない。
そう考えてみるとホテルの受付でも鉄道の駅でも空港でも、省力化を通り越して「無人化」が一気に進む。
反対に「人手」でなければいけないものは何だろうか。
定型化できない、イレギュラーなもの、ということになりそうだが今や「本当に定型化できないもの」は何だろうか。
 
AIが出てくるまでは、例えば料理人の仕事などは当面機械化はムリ、と言われていたが、今やそうでもなくなってきた。
友人のコンサルタントは「ビジネスのアイデアは無理だろう」と言っていたが果たしてそうか。
実は数あるアイデアや事例の組み合わせではないのか。
それはAIが本当に予想もしないものなのか…
と考えてみるとどうも「絶対に人じゃなきゃ」というものが思いつかない。
だから人はどんどん「思考する生物」へと進化するのだろう。
 
みんなが色々考えて。
未来はどうやら明るい。
 
 
グローリー、キャッシュレスを商機に 外食などで攻勢
 
 

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

 
省人化ニーズを受けてセルフ型のタッチパネルを販売する
貨幣処理機メーカーのグローリーが海外で脱金融を急ぐ。金融機関の再編により店舗統廃合が進み、インターネットの取引拡大で逆風が強まる。紙幣硬貨入出金機などの需要が減っていくなかで、小売り・外食業界に商機を見いだす。ファストフード店向けの端末を手がけるフランス企業の買収に動くなど、同分野の海外売り上げを倍増させる。キャッシュレス化の波を乗り切るためにも収益構造の転換を図る。
 
フランスの注文端末大手であるアクレレックを傘下に収める。現地当局の認可待ちだが、2億ユーロ(約243億円)で株式の80%を取得する方針だ。グローリーにとっては、2012年に同業の英タラリス・トプコを約800億円で買収して以来の大型のM&A(合併・買収)案件となる見通し。
 
これまでの戦略と違って、金融一辺倒だった路線を「小売り」にシフトする。今回、買収するアクレレックの主力製品は、店舗で顧客がタッチパネルを使って自分で注文・決済をする「セルフサービスキオスク」と呼ぶシステム端末だ。欧州を中心に19カ国に拠点を持つ。18年12月期の売上高は1億2621万ユーロで、省人化需要が追い風となり前の期と比べて6%伸びた。
 
グローリーの三和元純社長は「アクレレックの製品は、小売店向けの釣り銭機の売り込みでも武器」と狙いを説明する。アクレレックが持つ大手ハンバーガーチェーンなどへの販売網を生かし、グローリーの主力である釣り銭機や売上金を管理する入出金機を導入する考えだ。
 
足元で小売店向け現金処理機の売り上げが210億円程度と、海外事業(サービスを除く)の3割を占める規模に伸びている。数年後には売り上げを倍増させる計画で、「海外での小売りと金融の比率を逆転する」(三和社長)。
 
欧米を中心に金融機関を取り巻く環境は厳しい。08年のリーマン・ショック以降、米国では巨額の不良債権を抱えて破綻や合併が相次いだ。金融とIT(情報技術)が融合するフィンテックが台頭したことで、中小規模の金融機関の統合が進んでいる。
 
スマートフォンで送金などができるネットバンキングが拡大している。デロイトの18年調査によると、実店舗よりも主にパソコンやアプリを使って送金や口座照会をする利用者の割合は、英国(86%)やドイツ(69%)、米国(62%)などで、日本(24%)を上回る。
 
キャッシュレス化の流れに対し、店舗での専用端末を提供することで需要をうまく取り込みたい考えだ。省人化・無人化ニーズを追い風にし、自動釣り銭機や決済システムなどを持つ総合力で勝負する。
 
(大阪経済部 佐藤遼太郎)