藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

警鐘を聞いて

*[ウェブ進化論]行き過ぎを振り返る。
コロナウィルスの猛威がこれほど経済に萎縮をもたらすとは、現代人の感覚にはなかったに違いない。
まるで中世の疫病が現代に舞い降りたように、今の科学でも解決困難な「初めて」が現実に起きている。
こうした新種の病気が、これからも一定の間隔で出現してくるのだとしたら、病気とか経済とか、普段の生活の仕方などにもそういう備えが必要になってくると思う。
どこか行き過ぎたスピード重視・ボーダレス経済にストップがかかっているような気がするのは自分だけだろうか。

 日本もアジア圏の観光旅行者で賑わっていたが、人口が減って高齢化が進むからとひたすらインバウンド頼み、というやり方も修正が必要になりそうだ。

今みたいにケチな外国人の就労政策ではなく、外国人も積極的に永住するような真正面の政策も必要だと思う。
今回の警鐘が次世代に響くように「今の大人」が考え、決断しなければならないと思う。
 
  [FT]新型肺炎、影響分析で異色のデータに脚光 
 
  2020年2月20日 15:26
 

新型コロナウイルスの感染拡大が世界2位の中国経済にどれだけ影響するか見極めようとする投資家たちが、出前アプリから香港の大気汚染状況まで、これまで注目されてこなかった様々なデータに目を向け始めた。

 
    新型肺炎中国経済への影響を見極めるのに、これまで注目されてこなかったデータに着目する動きが出ている(19日、北京のスーパー)=ロイター 
ウイルスの広がりによる工場の稼働停止や都市の封鎖を受け、中国やその他の地域で2020年1~3月期の経済成長見通しが相次いで下方修正されている。
 
こうした中、中国経済への悪影響がどの程度で、いつ回復に転じるかをいち早く判断するため、投資家たちは入手方法が限られた情報源を得ようと競い合っている。
 
中国の調査会社、百観(ビッグワン)ラブの創業者である陳沐氏は「様々な業界が受ける影響と回復ペースについて、機関投資家や企業を中心とした顧客からの問い合わせが増えている」とし、動向を追跡する項目を増やしていると説明した。中国の景気が減速しているの見方でおおむね一致しているが、「どう回復するかがより重要になっている」という。
 
ビッグワンの見解では、ビジネスが正常に戻る足取りは鈍いもようだ。例えば、中国ネット出前サービス大手の美団点評を使って追跡している飲食店およそ100万軒のうち、2月上旬時点で営業を再開していない店は83%に上った。中国版スターバックスの「luckin coffee(瑞幸咖●〈くちへんに非〉=ラッキンコーヒー)」は、約5500店舗のうち14日時点で87%がまだ閉店していた。
 
アイルランドの調査会社イーグル・アルファによると、航空券予約は単独の要因では過去最大の落ち込みを記録したもようだ。重症急性呼吸器症候群SARS)の流行時や01年9月11日の米同時多発テロ後よりも影響が大きく、中国発着便や同国内便の予約がこれまでに1000万席減少した。
 
アナリストらは、春節旧正月)休暇の延長期間が終わり、先週は経済活動が通常通り再開するはずだったと語る。だが道路の混雑状況や石炭消費、不動産取引などを示す指標が平常時を大幅に下回り続けている。
 
英調査会社キャピタル・エコノミクスのアジアエコノミスト、ギャレス・レザー氏は「いつも春節前後に経済活動が停止する状況はあらゆる(指標)で同じように示されるが、その後も全く回復していない」と指摘した。
 

生産再開をどう追跡するか

投資家の間では以前から、代替的な指標を探して中国経済の状況を見極めようとする動きがあった。中国の公式統計は発表までに時間がかかる上、あまり信用できないとの見方があるためだ。新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために経済活動がほぼ完全に止められたのを受け、中国政府への疑いのまなざしは強まっている。
 
米金融大手モルガン・スタンレーのアジア太平洋ストラテジスト、ミン・ダイ氏は2月に入ってから顧客に対し、このところ最もよく聞かれる質問はおそらく中国での生産再開状況をどうやって追跡するかだと語った。
 
香港にある118階建ての環球貿易広場(ICC)で働くダイ氏の同僚らは、中国本土で工場が次々と稼働を停止する中、ここ1カ月間で見晴らしが良くなったことに気づいた。大気汚染レベルが鉱工業生産の再開状況を反映するとの想定で調べてみたところ、現在の工場稼働率は20~50%にとどまっている可能性があるという。
 
米金融大手ゴールドマン・サックスエコノミストらは先週、いくつかの指標で若干の改善が見られたと明らかにした。それでも「絶対的な水準で見れば、我々が追いかけている鉱工業およびサービス業のあらゆる指標が2月前半はどちらかと言えば低調にとどまった」と結論付けた。
 
米資産運用会社ハイタワーで投資戦略を統括するマット・ハリス氏は、リアルタイムで出ている数値の正しさがやがて公式統計で確認されるとみる。「数週間以内に悪い指標が出てくるだろう」という。
 
米顧問投資会社ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、トレーシー・チェン氏は「暗闇を飛んでいるような状態」が当面は続くと指摘した。
 
中国で生み出される大量のデジタルデータに、チェン氏はそこから1万キロ以上離れた米ペンシルベニア州フィラデルフィアで目を光らせている。中国の検索エンジン百度バイドゥ)」の通信量やオランダのデジタル地図大手トムトムのシステムから得られる道路混雑状況など、20種類のデータを参照できる独自のツールを作り上げた。
 
チェン氏は「1~3月期がかなりひどくなりそうなことを全てのデータが物語っている」と話した。
 
By Philip Georgiadis,Robin Wigglesworth and Hudson Lockett
 
(2020年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/