*[次の世代に]日本の聖地。
それが今読み返してみると、小学生どころではない「示唆」に富んでいるの驚く。
おそらくこの"ドラえもん"だけで大学の研究テーマにしている先生もいると思うが、それにしても作家の藤子不二雄氏は、どんな思いでこの漫画を育んでいかれたのだろうか。
大人にとって示唆的であり、また社会への皮肉もあり、生活する上でのしがらみもあり、それがのび太のいる「町内だけの話」と「宇宙や時空を超えた話」として交錯する。
ハリウッドも真っ青な作品観ではないだろうか。
自分の幼いころは毎週の「面白い漫画」だったけれど、今見てみてるとそれだけではない。
「ジャイアン」とは今の社会では何に当たるのだろうか。
タイムマシンや、数々の発明品は、果たして「自分たちの何を満たすためのもの」だったのだろうか。
そんな風に大人が十分考えさせられるのは、日本の漫画の「懐の深さ」ではないかと思う。
「いろんな描き手が自由に参入し、どんどん表現する世界 」が、何と日本の漫画界にはそっくり残されているのだ。
ここだけは「規制とか大手の力学」に支配されて欲しくないと思う。
その意味で、日本の漫画は世界の聖地なのではないだろうか。