*[次の世代に]作家の格闘技。
漫画は日本の突出した文化だというが、それは何故だろうか。
おそらくは、"一コマ一コマ"をまるで命を削るように「一点ものの作品」のように書かれ、それが何百コマも集まって"一話"になる…
そんな「儚さ」が漫画の魅力なのではないだろうか。
どの漫画もその「一コマ」を切り取って、それで作品として鑑賞に耐えうるものばかりである。
それが一度に何十ページにもわたって提供される。
味わってじっくり鑑賞しようが、さらっと読み飛ばそうが、全く読者の自由だ。
作者の凄まじい努力と、それを読む読者の自由。
これが日本の漫画の力なのではないだろうか。
美術館の中を、まるで日常のように通り過ぎる。
そして目に止まった「ほんの少し」の作品について反応する。
"漫画の凄み"はその圧倒的な「作画の力」を、読み手には何ら強制はせず、
「大量のエネルギーを放ち続ける」ところにあるのではないだろうか。
これだけの作品群を「いくらでも飛ばし読みする読者」と、
またそれを構わず「新しい作品をどんどん描いていく作家」がいる関係は、何より「表現者の格闘場」なのだと思う。
そんな漫画というマーケット、が日本にあることがすごいと思う。
作家とユーザーが、全く五分に交流できる場があることで独特の世界が出来上がったのではないだろうか。
漫画の市場は、まだまだ衰えずに伸びていくのではないだろうか。