川柳の歴史って意外と新しく明治時代の後半ごろらしい。
柄井川柳という先生が創始されたという。
現代では何といってもサラリーマン川柳だが、歴代の受賞作品をみると本当に「その時代の社会」を皮肉に詠っていて、その時代時代を彷彿として感慨深い。
そういえば
【「宝くじ 当たれば辞める」が 合言葉(事務員A)】
という作品が話題になったのは2012年のことだった。
某生命保険のセールスマンが「ウチの社内ですごく流行っています!!」と笑っていたことを思い出す。
それほど「"大して楽しくない仕事"で頑張っているのさ」という悲哀が漂っているが、果たしてそれからちょうど十年。
今の若者は
「宝くじは当たらないけれど、おざなりには働かない」という感じがする。
転職のアドバイスをしていても、キャリア形成とか収入アップとかよりも、「自宅に近い」とか、「快適に働けるかどうか」いうような理由がとても多い。
「もう「宝くじ」という、決して自分たちには当たることはないのに、見ていたい夢」は必要ない時代になっているのだろう。
平成までは「そんな夢でも見て憂き世の辛いことは忘れようよ」とか「仕事の憂さ晴らし」という"昭和哀史"的なメンタリティが当たり前だったが、今は「やりたいことをじっくり探す」というのがスタンダードになっている。
大人たちが経営している企業は「会社の業績とか歴史」ではなく、「どれだけ仕事が面白いか」を素直に表現しないと見向きもされなくなるだろう。
"型"でアピールする時代はもう終わっているのだ。