*[ウェブ進化論]ゆっくり考えていた。
*これからのスタンダードは「社会資本主義」とか「新資本主義」とかいうものではなく、「自由と安定主義」になるのではないかという話をしています。
昭和の大戦後、物資極端に不足する時代に庶民は「安定」を心から望んだのだと思う。(野心家も多かったらしいが、今のインフレとは質が違ったようだ)
戦後の安定の象徴といえば、仕事なら「公務員とか金融機関」とか、資産なら不動産とか国債とか。
これらを果たして安定とみるか、それとも「不自由」とみるか。
「コップの中の半分の水」の話だ。
まだ半分あるか、もう半分しかないのか。
毎日定時に働き、定年まで40年勤め上げて退職金をもらい、定年後に自由になる人生。
あるいは借金をして不動産を買い、何十年も賃貸経営をする仕事。
半世紀前は、そういう生き方が憧れだったのだ。
そしてこれからの憧れは「自由だけれど安定」というちょっと矛盾するような志向性だが、そういう「第三の幸福」を目指していく時代が来ているのだと思う。
日本はベンチャーが育たない、企業の時価総額も低い、生産性が最低だ、とこの二十年言われ続けてきたが、「ただいたずらに"成長とか効率化"だけを考えるのではなく、それが自分の人生にどれほど必要か、ということをゆっくりと考えていた」のだとしたら、一周回って日本が再び思想的に注目されるだろう。
同調圧力がとても強い、と言われる日本人だが、案外ブームには乗り切らずに「ゆっくりと考える民族」なのではないだろうか。