*[ウェブ進化論]安心を求めて。
もう40年も前、永ちゃんがテレビのインタビューで「なぜもっと稼ぎたいのですか?」と問われて間髪入れずに「ヤザワは安心が欲しいのよね」と答えていた。
さすがヤザワ、実にストレートな人である。
そのころはすでにかなりのお金持ちだったろうに、十代の自分は「こんな金持ちでもそんなことを考えるのか」と不思議に思った経験がある。
この永ちゃんの「安心が欲しい」を思い出して今の「FIRE」に繋がった。
昭和の後半も激動の時代、と言われていた。
ただ「成長している」という中での激動だった。
コロナや地震や台風や、令和の今だって激動だ。
ただし「成長していない」と盛んに言われる。
それも何度も何度も、毎日毎日だ。
それは老若男女、不安になるのも無理はない。
けれど今は間違いなく「史上最も豊か」な時代でもある。
最も豊かなのに最も不安。
豊かだから「もっと上」が欲しいのではない。
むしろほどほどでいい。
その代わりに「安心」が欲しい。
FIREとはそんなことの象徴なのではないだろうか。
でその後始末は五十代以上の大人たち、老人たちがつける必要があると思う。
いたずらに老後だ介護だと言われ、思考停止になってどんな老後を過ごせばいいのかが想像できていない。
実際は不安があろうとも、若者には「気にするな」というのが先人の役割というものだろう。
大人は発言に気をつける必要がある。
ポジショントークはやめましょう。