藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自由と所有の狭間で。


Googleの一番の功績は「情報」というものをデジタル(=インターネット)の世界で「無償化」したことではないか、と最近思う。
そして、情報が有料であり、また著作の著作権者も無制限に保護されるはず、という感覚とは根本的に対峙する。


Googleは当初検索エンジン、という立場からスタートしたが、つまるところは著作者のある作品、という「人類究極のリテラシー」ともいえる文字文化を解放しようとしているのではないか。
世界各国で繰り広げられている、(Googleブックサーチなどに対する)書籍の権利関係の闘争について見てみると、そんな気がして仕方ない。


Googleはその持前の明るさで、人類に「著作を解放せよ」と迫っているのではないか、と思う。
それは、「自分の作品」とか「作品の興業性」というものにそのエゴからの退却を迫る。


アルキメデスが集い、世界の図書を一か所に集めようとしたエジプトの図書館『アレキサンドリア』よろしく、Googleの試みは、ひいては「世界唯一のバーチャル図書館建立」へ向けての壮大な試みに見えてきた。


彼らの言う「世界中の情報を整理し尽くす」というのは著作物もその「透明な」対象になってもらいますよ、という言外の強いメッセージがあったのかもしれない。
web進化賛成派としては、ぜひこの傾向が浸透し、さらに多くの情報が流通する世界を夢想したい。


価値ある著作は、きちんと課金できる仕組みがあればいいのだから。
それが繁栄のためのプラットフォームなのだと思う。


グーグルの書籍電子化、禁止命令 パリ裁判所 

米インターネット検索大手グーグルが進める電子化書籍の全文検索サービス「グーグルブックス」で著作権を侵害されたとして、フランスの出版グループなどが起こした損害賠償請求訴訟で、パリの裁判所は18日、グーグル側に対し、書籍の電子化の禁止と、30万ユーロ(約3900万円)の支払いを命じた。AFP通信が伝えた。

 また、電子化の禁止に違反した場合には、1日につき1万ユーロの罰金を科すとした。

 訴えていたのは、仏出版組合や作家協会などで、1500万ユーロの損害賠償を求めていた。

 グーグル側は訴訟で利用者が情報を得る権利を主張し、「デジタル化は米国で進めているため仏裁判所の権限が及ばない」などとした。
しかし、判決は「電子化は書籍の複製にあたり、著作権者らの事前の承諾が必要だ」とした。