藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

学力とは何か。


「政治の教育への影響」で大学施策とか、まあロースクールあれやこれやとか、もっと大きなうねりでは「戦後教育云々」とか。
日本にとって(というか子供にとって)教育って何か、というような議論をもう少し煮詰めていく必要があると思う。
いまの感覚や進め方では、いつまでたっても「だからダメなのだ」という過去否定型ばかりで気が滅入る。
政治家は大臣が代わるたびに、(必ずしも教育のプロではない人が)あれやこれやと口を出す。


コロコロ方針が変わったこの十年の総括が「ゆとり」である。
その方針が打ち出された時、そんな「時間数削ってゆとり」というよりは、もう少し「知識重視」の中身の変質を検討したらいいのに、と強く思ったが、既に義務教育の問題は遠隔感が強く、なかなか社会人成りしてしまった者が正面から向き合うのも難しい。

思考力や読解力を伸ばすため記述や問題も大幅に増加。
学校週5日間制の完全実施に伴う「ゆとり教育」路線からの転換、学力重視を鮮明に示す教科書となった。

小泉改革の余波はまだ続き、まだまだ「逆プレ」の揺り戻しは各界を震撼させているが、またここにイデオロジカルな議論を差し挟む学者なども登場し、いつも教育の本筋の問題は固定観念や因習にとらわれている印象が拭えない。
そしてこの手の話になると、必ず教育勅語とか福沢諭吉の話にまで議論が立ち返ることも多い。


そして何よりも教育を受ける側の「生徒たち」にその主旨をガツンと説明できるような「統一見解づくり」も重要ではないか。
「国家安康」とか「富国強兵」は意味には賛否あれど、分かり易い四字熟語である。
今の日本は何を目指しているのだろうか。


それを煮詰めていくのは自分たち大人の仕事である。

 
文部科学省は30日、来年春から小学校で使う教科書の検定結果を発表した。
学力低下批判を受け、2008年に改訂された新学習指導要領に基づいてつくられた初の教科書。
記述内容は大きく増え、特に理科と算数はページ数が現在使われている教科書から3割以上増えた。

思考力や読解力を伸ばすため記述や問題も大幅に増加。
学校週5日間制の完全実施に伴う「ゆとり教育」路線からの転換、学力重視を鮮明に示す教科書となった。

文科省によると、1冊の平均ページは全ての教科で増え、全体で24.5%増加した。
理科の平均ページ数(小学校3〜6年生の合計)は671ページで現行教科書から36.7%増。算数は同1436ページで33.2%増、国語は同1781ページで25.2%増えた。

現在の指導要領に改訂された直後の教科書(00年度検定)と比較すると、算数・理科は1.7倍程度になっている。

具体的記述内容では、4年算数で学んでいた分数が3年で登場。前回は「発展的内容」とされた算数の台形面積の公式は4年の本文で取り上げられ、6年理科には「電気」の項目が加わった。

このほか、「兆より大きい数」(小4算数)、「1日の気温の変化と太陽高度の関係」(小4理科)などが、指導要領の範囲を超える「発展的内容」として全ての教科書で取り上げられ、全体的に学ぶ内容が高度になっている。

今年度の検定では、148点の教科書の申請があり、すべて合格。検定意見は5551件で前回検定の約2倍となった。

新しい学習指導要領に基づく中学校の教科書は10年度に検定が行われ、12年春から使われる。高校は13年度以降に使用が始まる。