藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

みんなの首輪。


韓国では、対幼児や性犯罪の再犯者に「足輪」を付けて、GPSで管理するという。


とてもよい。
最近よく報道される児童の虐待とかもだが、その人の内的な性質に深く関わるような犯罪(何でもそうかもしれないけど)、例えば「他人の物を盗む」とか「詐欺をはたらく」とかいうことは、服役とか罰金とか奉仕とかがそれ以降の「抑止力」になり得るようには思う。


けど「幼児に興味がある」とか「お金では購えない性衝動」などについては、なかなか今の刑事罰がストレートに「抑止」に向いていないような気がして仕方ない。
(それにしても母性ゆえか、幼児に性的暴行を加える女性、というのは聞いたことがない。加害者は男性ばかりなのは何故だろうか)
彼らは刑務所に入ろうが、罰金や社会的に制裁を受けようが、どこか「お構いなし」のように見える。
そもそも「損か得か」を冷静に考えれば、手を染めぬのが犯罪行為だと思うが、幼児犯罪とか性犯罪はその「損得」の物差しを明らかに超えているように思えるのである。


したがって、韓国の決めた「電子足輪」を加害者に付けて、つねに「その観点で」注意している、というのはとてもよいと思う。

人権よりも予防。


そんな首輪ならぬ足輪で、いやしくも人間様を管理して・・・云々と仰る向きもあろうが、まあ考えていただきたい。
幼児犯罪や虐待、というのは必ず「大人vs子供」という関係で起こる。
もともと圧倒的に身体能力、知力において差がある同士。
これを利して「何かしてやろう」という大人は、そもそも「対等」という概念からは遠く外れている。
他人を騙して何かを利してやろう、と言う人は犯罪かどうかを別にして数多くいるものだが、それも大人同士の話。
子供、という弱者に対しても「何かをしかける」という性質の持ち主には、この「対等の概念」が欠けているわけで、元々「そんな性質を持ってしまっている」彼らに大して「それはいけないよ」と諭しても、なかなか体感しにくいだろうと思う。
「子供に対してはちょっと・・・」と思えない人たちなのである。


従って彼達は、ほかの部分はどうあれ「その部分(例えば対幼児)」については自制が完全に聞かぬと思われるので、公的に監視するのは彼らにとっても好ましい。
例えば、自分ではそれと知らずに幼稚園や保育園の周りをウロウロしていたり。
また休みの日でもない平日に、繁華街や人気のないとこを徘徊していたり。
(こんな「条件」はコンピュータに設定させればよろしい。クレジットカードの不正利用向けソフトなど、もう既にかなり「知能」の高いプログラムはできあがっている)


そんなことが見て取れれば、「大丈夫ですか?」「知らずに子供たちの所へ行っていませんか?」「注意してください」と『警告』ができる。
まず第一にでき得れば、この警告は「専任のケースワーカー」がやった方が良い。

警告して恫喝するのではなく、「大丈夫ですか?」と穏やかに尋ねて、声を掛けてあげるべきだと思うのだ。
それによってふと、我に返ってもらったり、心中に溜まった思いを吐露して楽になれるのではないだろうか。

警告マッチングシステムを


そして、でき得れば。

「護る側」にも「電子タグ」が欲しい。
13才以下の幼児にも同じく「電子足輪」を付けるのである。


「ここセコム」みたいなもんだが、もうちょっと国家的に管理していただく。

先の「幼児犯罪足輪」と「幼児足輪」が近づくと、警告を発する。
それも一定時間が経つと公的機関にアラートが発せられるように。

もっとできるなら、足輪の主の脈拍とか脳波とか、そんなものも管理するとなお正確だろう。
犯罪が起こってしまってからできることと、その「事後」の無力感と、
未然にに防げることの差は大きい。
被害者と周囲の人にとっては天国と地獄ほどの差があるだろう。


そして、その話をもっと進めると、国民全員に「足輪」を付けて、すべて管理するようにすれば、犯罪というのは激減できるのではないか。
これまた人権だのプライバシーだの、という話が必ず対になって出てくるだろうが、特に機能の集中が過度になり、人が過密な大都市には導入されていてもいいのではないかと思う。


足輪で、自分の居場所や言動、果てには映像までが記録される時代。
窮屈だが、妙なことをしなければ、安心が担保される世界なのかもしれない。
ただ、自分の足首についたリングを見るたびに、なにか「諦め感」が漂うだろう気がするのは自分だけだろうか。


韓国の足輪制度、から妙なことを想像してしまった。

性犯罪者の再犯防止に電子足輪法


韓国では「電子足輪法」が2008年9月に施行され、13歳未満の児童に対し性犯罪を犯した者や、過去に2度以上性犯罪を犯した者に、衛星利用測位システム(GPS)で捕捉できる電子足輪を装着し、24時間行動を監視している。


 電子足輪法が成立したのは、性犯罪の場合は再犯率が高いためだ。
電子足輪の装着に対しては、「犯罪者に対する人権侵害」「二重処罰」といった反対の声もあった。
しかし、電子足輪の装着は国の治安を守るための「保安処分」だ、と主張する保守派の議員らが中心となり立法化を推進し、法律が成立するに至った。


 韓国警察庁によると、韓国の性犯罪件数は2002年が1万1587件だったが、09年には1万8351件に増え年々増加する傾向にある。
02年の場合、再犯率は8・9%だった。


 法律の施行以降、今年3月30日までに性犯罪者582人が電子足輪を装着している。
このうち1人のみが再犯者で、再犯率は0・17%に抑えられており、電子足輪の効果が出ている。


 しかし今年2月、過去2度も性犯罪を犯した男が、釜山市内で女児(12)に性的な暴行を加えた後、殺害するという事件が起きた。
この事件をきっかけに電子足輪法を改正し、電子足輪を装着する対象者を広げる動きが起こった。

 というのも、この男が犯した過去2度の性犯罪はいずれも電子足輪法施行前のもので、今回の犯行時には電子足輪をしていなかったためだ。

 この事件をきっかけに、法律の施行3年前にさかのぼり、この間に有罪判決を受けた性犯罪者にも装着を義務づけるなど、一部内容を改正した電子足輪法をはじめ、6つの性犯罪関連法が、3月31日の国会本会議で通過し、成立した。(ソウル 水沼啓子