藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

食の時間。

動物の身体の大きさによって、始終えさを食べているというのは、ごく最近知り合いから聞いた話。
一日の可食時間(というか食べていた時間)は、

チンパンジーや猿人ではそれぞれ37%、43%と「食べてばかり」となったが、ホモ・エレクトスなどは現在の人類に近い6%前後で「かなり早食い」となった。

一日の活動時間を18時間として、
37%・・・399分。5時間40分。
43%・・・464分。7時間44分。
6%・・・64.8分。1時間と5分。

猿人は、朝ご飯1時間(1日2食という説もあるけど)、昼ご飯3時間、夕食は約4時間。

とイタリア人も顔負けの優雅な食事タイムを過ごしていたようである。
と思ったらさにあらず。
固い木の実や果実、調理をしない生魚などを大きな歯で一生懸命食べていたようである。
その様子は、現在の牛馬が草を食むがごとくで、モシャモシャと1日中口を動かしていなければ身体が維持できなかったのだろうと考えると、ちょっと気の毒である。
現在の食生活は、厳選されたとても多種の食物を、思い通りの部位で好きな形に調理し、しかも保存したり、調理したてを食べられる。
それでいて、そんな最高の食材たちを楽しむことに、2時間も3時間もかけられる。
科学の進歩も著しいが、食文化の変態もすさまじいものがある。

これからのことは、若干不安が感じられるが、現在の人類が"史上最高の食"を得ていることは間違いがない。
幸せに感謝。

調理と早食い、サルとヒトの分かれ目? 米大学研究成果
 190万年前に現れた私たちの祖先に近い原人は、最初の「調理人」だったかも――そんな論文を、米ハーバード大のチームが今週の米科学アカデミー紀要に発表する。調理を覚えて食事に使う時間が減ったことが、チンパンジーなど他の霊長類との分かれ目になった可能性があるという。

動物は体が大きくなると大量のえさを食べる必要があって臼歯やあごも大きくなる傾向があるが、えさの食べ方が変わると、その傾向から外れたデータが出てくる可能性がある。

チームが、火を使っていたと考えられる原人ホモ・エレクトスなどの化石や過去の記録を分析し、チンパンジーや二足歩行を始めたばかりの猿人と比較したら、ホモ・エレクトスなどは体の大きさの割には臼歯やあごの大きさが小さかった。えさを焼いたり、石器で刻んだりする「調理」を覚えた結果、口に入れやすい大きさの、軟らかいえさを食べていたと考えられる特徴だ。

チームは1日の活動時間のうち食事にあてている時間をこの手法で推定。チンパンジーや猿人ではそれぞれ37%、43%と「食べてばかり」となったが、ホモ・エレクトスなどは現在の人類に近い6%前後で「かなり早食い」となった。その結果、時間を食事だけでなく、より人間的な活動に使う余裕も生まれていったと考えられる。