藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

噴出するマイノリティ。

サイバー被害はそれまでは「空気のよう」に、ただひたすら便利で楽しい存在であった「ネットワーク」そのものに重大な脅威をもたらす。
いわゆる公衆道路網であるインターネット上は公道であり、そこには街頭宣伝をする人もいれば、スリもいる。
基本的に「歩いていることを誰何される」ことのないネットワークだから、そういう無防備な道を通って"現金"を輸送したり"投票箱"を運んだりしては、もとより危ない前提である。

あんまりにもバーチャルで便利すぎたので、その「安全意識」がようやく認識され始めてきた、というのが妥当なところだろうか。
ソニーへのサイバー攻撃で一躍有名になったアノニマスが、今度は選挙の妨害を予告しているという。
彼らの主張は「政治制度が企業寄り過ぎる」とのことで、今のウォールストリートのリアルのデモを見る限り、ネット上で燎原の火のごとく「反共和党」の運動が高まるかもしれない。

大量のpcを踏み台にして、膨大な量のアクセスを仕掛けるDDosアタックと呼ばれる攻撃は、基本的には量的攻撃なだけに、防ぐ有効な手立てはなく、実行されればネット選挙そのものが麻痺することは十分考えられる。
アノニマスの肩を持つわけではないが、ネットは増幅する一面も持っている。
アメリカの次はEU、その次は日本だろうから、各国の為政者はもう少し本気で「マイノリティ対策」を考えねば一度ついた火はなかなか収まらぬのではないだろうか。

アノニマス共和党員集会妨害をネット予告 米大統領
国際ハッカー集団「アノニマス」を名乗る一派が、米大統領選に向け来月3日に開かれる共和党アイオワ州党員集会を「平和的に妨害する」と予告する動画をネット上に掲載した。指名獲得争いの流れを決めかねない緒戦だけに、共和党は備えを強めている。

 AP通信によると、州都デモインで反格差デモに参加していた男性が仮面の男から動画を託され、動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載したという。約2分間の動画上の音声は、政治制度が企業寄りだとして批判し、その主張を支持する人に妨害を呼びかけている。

 地元アイオワ大のダグラス・ジョーンズ准教授(コンピューター科学)によると、集計結果をサイト上で一般に知らせる際に数字を改ざんされ、犯人から何ら声明も出ず、誤った結果が流布し続ける事態が最も危険だとした。党員集会は紙で投票し手で集める形だが、結果を反映するシステムが攻撃されれば、公表が遅れただけでも混乱を招きかねない。

 アイオワ州共和党中央委員会のウェス・イーノス氏は朝日新聞の取材に「みんなが注目する党員集会がスムーズに運ぶことが重要だ」とし、セキュリティーを強化する措置を進めていることを明らかにした。(ロサンゼルス=藤えりか)