藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

便利とそれ以外の区別。

もう既に買い物のニ割はネット経由だという。
手に取ってみたい衣服などと違い、また立ち読みしたい本とも違い、「目的の決まった買い物」にはネットは至便である。
さらにコミュニケーションツールとしてはかつてない利便性が今のネット端末にはある。
それにしても。

平日のネット利用、162分。
休日は191分に上るという。
ちょっと「ネットにやられてやしないか?」と思うのは自分だけだろうか。

「それ以前」なら、読書や趣味や散歩やという「それ以外」に費やされたであろう時間が「ネット」に吸収されているように思うのだ。
インターネットのアクセスの広さや便利さを表しているとはいえ、恐ろしい密着度合いである。

他人事のように自分なども言うが、自分が社会人になりたての頃はpcの前にいる時間など1日に数分だったのだ。
それが今やオフィスワーカーがpcから離れるのは会議以外では殆どないだろう。

仕事も、買い物も、情報収集も、そしてコミュニケーションさえも、インターネットが最も便利なツールになってしまったのだ。

自分は、遠くないそのうちに、今の「ネット礼賛」の時代から再び「コミュニケーションはアナログで」という揺り戻しが来るような気がしている。
今はネットのアクセス性があまりにもてはやされ、「コミュニケーションの接点を何でもサイバーに集めるという試みの途上」だと思うのである。

雑多な情報の収集や、範囲の広いアクセスにはネットはこの上なく便利である、が。
けれど人の「五感」に触れる部分はサイバー端末では満たされないこともまた多い。

「人と人との触れ合い」と「コンピューターを通じた情報アクセス」とが区別される社会がこれから確立されるのではないだろうか。
人の情緒性はいつまでたってもそこから無くなることはないだろう。

そんなこんなを区別する時代がそう遠からず訪れるに違いない。
チケットの予約だって、窓口で経験豊富な駅員さんと「今の季節なら東山へ寄ったらどうですか?哲学の道は今が散策にいいですよ」というようなことが好まれる時代が来るだろう。

まあ工夫すればそれすらもネットに乗せることはできるのだろうけれど。
まだまだネットの進化の可能性もこれからだと思う。

平日自由時間の半分はネットに 本社調査
買い物の2割はネット経由2012/11/20 22:36ニュースソース日本経済新聞 電子版
 日常的な買い物の2割はインターネット経由――。日本経済新聞社と日経BP社の「第1回ネットライフ調査」で、消費者のネット生活像が浮かび上がった。平日の自由時間の半分はネットと接し、3人に1人がSNS(交流サイト)を活用。タブレット(多機能携帯端末)やスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などの普及が消費のネット移行を加速していることもわかった。
 調査は10月16〜18日にネットを通じて実施した。日本の人口構成に合わせ、全国の16〜80歳の男女1万420人から有効回答を得た。
■SNSの利用34%
平日にネットを利用する平均時間は162分、休日は191分。それぞれ自由な時間の49%、40%にあたり、用途はメール、情報収集、買い物の順に多い。SNSは34%が利用。最も多かったのは「フェイスブック」(22%)で、「ツイッター」(20%)、「ミクシィ」(16%)が続く。無料通話・メッセージアプリの「LINE(ライン)」は10〜20代を中心に14%が使う。
■30代最多、月4万円
住居費などの固定費や自動車などの耐久消費財を除いた、回答者の1カ月の支出額は平均13万2800円。そのうちネット経由は2万5900円で20%を占める。世代別にみると30代のネット消費額が4万200円と最も多く、支出の29%に及ぶ。ネット購入の経験がある商品・サービスで多いのは予約サイトが充実している旅行関連で80%。贈答品が65%で次ぎ、これらの分野では多くの消費者が実店舗からネットに移っている。
スマホは29%が所有しており、特に20代では54%と過半。ユーザーのネット消費額は月3万3100円と、全体平均より3割近く多い。自分を「誰よりも早く新商品・サービスを購入・利用することが多い」とみるユーザーが34%おり、情報感度が高いのが特徴だ。
一方、タブレット所有者は30〜40代の男性を中心に9%にとどまるが、ネット消費はさらに積極的だ。支出額は月4万5千円と同7割上回る。
全体では1年前に比べネット消費が増えた人は26%、減った人は11%。スマホタブレットのユーザーは、増えた人の比率が3割を超える。操作性の高さに加えて、どこでも商品情報に接しやすく、さらに動画などのデジタルコンテンツとも相性がよいことが消費を喚起している。タブレットは米アップルやグーグルなどの新商品が続々と登場しており、こうした傾向を後押ししそうだ。
60歳以上はスマホなどとは縁遠く、ネット消費額は月2万1千円と平均を下回る。ただ平日のパソコン使用時間は165分と世代別で最長。シニアのライフスタイルに合う提案ができれば通販企業などにとって開拓の余地は大きいといえる。