藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

先鋭化する物流。

ネットで進んだスピード化がリアルの物流に押し寄せている。
アスクルとかアマゾンが「当日」を売りにしたら、さらに「半日」「二時間半」と詰めてくる。

面白いのは「アマゾンプライムナウ」で「一時間以内だけど890円」というのは出足が鈍いらしい。

「すぐ欲しい」という感情と「でも手間賃(配達料)は少なく」という消費者心理との戦いだ。
今のところ、自分たちの消費者心理は「無料で数時間以内」、というあたりがボリュームゾーンらしい。

買い物が何日も待たないと届かなかった頃とは違い、逆に「本当にすぐに欲しいもの」というのはそれほどない、ということにも気づかされる。
水とかお酒とかに続いて、「日常の食料品も二時間以内に届く時代」になれば、リアル物流の戦争も一旦は休息になるだろう。

「今は時間がかかって当たり前のもの」がブレイクスルーされる時代。
次のターゲットはどの分野だろうか。
食品はまだかなぁ。

ヨドバシ、通販2時間半で無料配達 東京23区で、家電や食品 アマゾンに対抗

2016/9/15付

 家電量販店のヨドバシカメラは15日から、インターネット通販で東京23区などを対象に、注文後最短2時間半で無料配達する。到着予定時間を1分単位で顧客に知らせ、一部地域では24時間再配達に対応する。アマゾンジャパン(東京・目黒)も有料会員を対象に最短1時間での配達を始めており、速さやサービスを巡るネット通販の競争が激しさを増してきた。

ヨドバシは購入金額に関係なく送料無料で配達(東京・秋葉原の店舗)

 新サービスは「ヨドバシエクストリーム」。東京都23区全域と武蔵野、三鷹、調布、狛江の4市の一部地域で、注文から2時間半で届ける。これまでは6時間で配達していたが、時間を半分以下にするとともに、対象地域を今春比で2倍程度に広げる。ネット通販で取り扱っている約456万点のうち大型家電などを除く約43万点が対象だ。

 家電だけでなく調味料や加工食品の販売も始めた。通販での家電の購入頻度は年3〜4回だが、食品や日用品はより頻繁な購入が期待できる。

 短時間配達によるコストアップは効率化により吸収する。30億円を投じて配達拠点や物流効率化のためのIT(情報技術)システムを導入した。

 都内に在庫を保管するための物流センターを3カ所、商品を仕分けする小型の配送拠点を10カ所設けた。在庫を各地域に分散させることで、顧客の家までの配達距離を短くし、時間短縮を可能にした。運送会社に委託するのではなく、ヨドバシの従業員が300台弱のトラックで消費者の自宅まで届ける。

 新開発の全地球測位システム(GPS)端末を使い、一つ一つの荷物の担当が誰で、今どこにあるのかをリアルタイムで把握する。購入者には何時何分に到着、といった情報を自動でメールする。配達時に顧客が入浴などで対応できないリスクを減らせる。再配達が減りコストを減らせる。それでも再配達が必要になった場合、中野区や杉並区では24時間対応する。

 たとえ乾電池1個でも無料で届ける。小型商品は郵便受けに入れ、配達の手間をできるだけ省く。6時間配達の実績では、小型家電や飲料水がよく売れており、1回当たりの平均購入額は5千円前後だ。短時間で無料配達しても、物流効率化や販売増の効果で十分に利益は出せるとみている。

 東京23区では1日の配達件数を従来の1.5倍の2万件に増やす計画。大阪や京都など関西でも短時間配達を計画中だ。ヨドバシの通販を利用する30代男性会社員は「送料が無料なので助かる。酒類も販売してほしい」と話す。

 国内の家電市場でネット通販の比率は年々上昇している。調査会社GfKジャパン(東京・中野)によると、16年は15年比0.4ポイント高い12%になる見通し。ヨドバシのネット通販の売上高は16年3月期に前の期比2割増の1千億円弱に増えた。年間売上高が1兆円近いアマゾンジャパンとは開きがある。新サービスで顧客を開拓する考えだ。