藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

世界の連鎖。

キプロスの銀行が、閉鎖から営業を開始した、という報道で持ちきり。
キプロス、とは自分たち日本人には馴染みがないが、その実はロシア圏の金融都市、アジアでいえば香港のような存在のようである。
ロシアでは、これまでの政情から、富裕層が蓄財するのにキプロスの銀行を利用し、いわば金融特区のような使い方をしてきたとのこと。
そのキプロスで、半分以上を占める「富裕層のロシア預金者」に対して超高額の課税が実施されることになった。

寝耳に水、とはこのことで銀行はまだ「取り付け騒ぎ」のさ中にいる。
が、小口の預金者の負担はさほどでもない。
問題は富裕層に大きな影響が出ることだろう。

同様の問題は、これからのEUアメリカ、そして日本でも起こるだろう。
庶民はあまり騒がないが、「富裕層の人が財産の半分以上を召し上げられる」という時代が始まりつつあるのである。

全体的な「社会主義の幕開け」と読むこともできるが、ともかくこれまでの政治ルールを利用して
「偏った蓄財」をしてきた人たちが表に晒されるのかもしれない。

もうEUアメリカの中央銀行も、これまでのような「中核の要人」だけを守ればいい、という時代が終わろうとしているようなメッセージを出している。

いよいよグローバル経済の最終章で、主要通貨の価値観に影響が出るのかもしれない。
日本の円も当然無傷ではいられないだろう。
お金以外の大事なものは何か、ということを考えておく時代に突入したのではないだろうか。

キプロスで13日ぶりに銀行再開…預金者が行列
ニコシア=佐藤昌宏】金融危機にあるキプロスで28日正午(日本時間28日午後7時)、窓口を閉鎖していた各銀行が13日ぶりに営業を再開した。
首都ニコシアの銀行窓口には、開店前から多数の預金者が行列を作った。同日午後3時現在、目立った混乱は発生していないが、国民の金融機関に対する不信感はなお強い。

 窓口再開にあたり、キプロス政府は国外への資金流出などを防ぐため、預金の引き出しを1日あたり300ユーロ(約3万6000円)に制限した。破綻処理が決まった国民(ライキ)銀行の支店前に並んでいた年金生活者のセオドロス・パンボリデスさん(79)は「キャッシュカードを持っていないので、窓口でしか預金を引き出せない。手元には20ユーロしか残っていない」と、再開にほっとした表情を浮かべた。

 銀行関係者によると、キプロス中央銀行には27日夜、少なくとも大型コンテナ5個分の現金が大型トラックで運び込まれた。取り付け騒ぎを防ぐため、現金が国内の各民間銀行に十分に行き渡るようにするための措置。大量の資金の出所は明らかでないが、当地のうわさでは、欧州中央銀行(ECB)から輸送されたものという。不測の事態に備え、警察官のほか、警備会社からも約180人の警備員が各銀行に急きょ派遣された。

 政府は、海外送金の制限に加え、1000ユーロ以上の国外持ち出しや小切手の現金化の禁止なども暫定的に導入。こうした規制は、預金者だけでなく、産業にも影響を及ぼしている。

(2013年3月28日22時25分 読売新聞)