藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分の国政。

アベノミクスが批判にさらされている。
原因は昨年10-12月のGDPが0.7%に下方修正されたこと。
しかし元々このみ立ては正しかったのだろうか。
自分たちは「為政者ではなく有権者」だから、しばしばそういった元々の検証をしないことが多いと思う。

 アベノミクスは、大胆な金融緩和で株高と円安に導くことで、国内では消費を盛り上げつつ、円安の恩恵がある輸出を押し上げるのが基本戦略だ。ところが、賃金が上がらないなかで、円安の影響を受ける食料品や電気代が値上がりしたため、国内消費が盛り上がらない。一方、製造業の拠点が海外に移ったため、円安でも輸出が伸びない。

結局こういう見立てが、果たして元々実現可能だったのかどうか、ということをあまり有権者は意識しない。
むしろ提示されたマニフェストが実現されたかどうか、を問題にすることが多い。
全く反対の、液化天然ガスなどの燃料輸入が円安で高騰し、1.6兆の赤字である。
一方日本の海外での儲けは1.34億円。
これから政府はさらに5.5兆円の経済対策をするというが、本当に日本経済全体が持ち上がるのか、ということについては政府任せにせず、我われも考えておかねばならない問題である。
時の為政者に文句を言うはた易いけれど、それでは問題の解決にはならない、ということを自分たちは実社会でずい分経験している。
「内外の誤算」と政府が言う言葉に盲従せず、自分たちなりの景況感をもってこれからの生活を考える時代がいよいよ訪れているのではないだろうか。

アベノミクスは想定外だったので・・・という言い訳は、自分自身の問題解決にはならないということを予め分かっておかねばならないと思うのである。

アベノミクス、相次ぐ想定外 経済指標「変調」
 安倍政権の経済政策アベノミクスで、想定していなかった経済統計の「変調」が起きている。10日には昨年10〜12月期の実質経済成長率が年率0・7%に下方修正されたほか、今年1月の経常赤字額は過去最大を更新した。消費増税を控え、経済政策のかじ取りは一段と難しくなっている。

 10日に発表された2013年10〜12月期の国内総生産(GDP)の2次速報値では、物価の変動をのぞいた実質成長率(年率)が前期比0・7%増に下方修正され、1%台を割り込んだ。先月発表された1次速報よりも0・3ポイント下げた。4月の消費増税前の「駆け込み需要」が成長率を押し上げると見られていたが、想定外の急ブレーキがかかっている。

 昨年7〜9月期の実質成長率も1・1%から0・9%に下方修正された。1〜3月の4・5%、4〜6月の4・1%に比べると、昨年後半からの減速ぶりが際立っている。

 急ブレーキの主因は、景気回復のカギを握るとされる「設備投資」と「個人消費」の力弱さにある。

 10〜12月の設備投資の伸び率は、1次速報の1・3%から0・8%に下げた。プラスとはいえ、生産を増やすための工場建設などの動きは広がっていない。

 個人消費も0・5%増から0・4%増に下げた。昨年前半は株高でもうかった人を中心に、時計や貴金属といった高額品がよく売れたが、その動きは一服した。年後半は増税前の駆け込みで消費が伸びると見られたが、食料や衣料品の販売が振るわなかった。

 アベノミクスは、大胆な金融緩和で株高と円安に導くことで、国内では消費を盛り上げつつ、円安の恩恵がある輸出を押し上げるのが基本戦略だ。ところが、賃金が上がらないなかで、円安の影響を受ける食料品や電気代が値上がりしたため、国内消費が盛り上がらない。一方、製造業の拠点が海外に移ったため、円安でも輸出が伸びない。

 内外の誤算が足かせとなり、政府が掲げる13年度の実質成長率2・6%の達成は難しくなりつつある。(末崎毅)

 ■政権、増税後へ正念場

 10日発表された1月の国際収支(速報)によると、日本と海外のお金の出入りを示す経常収支は1兆5890億円の赤字だった。日本からお金が出ていく経常赤字が4カ月続き、月間の赤字額としては過去最大だ。

 最大の要因は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字が、2兆3454億円と過去最大に膨らんだこと。火力発電向けの液化天然ガスの輸入額などが円安で押し上げられたうえ、スマートフォンや自動車の輸入も増えた結果、輸入総額は前年同月から30・3%も増えた。

 一方、輸出は16・7%増にとどまった。日本企業の海外での稼ぎを反映する「第1次所得収支」は1兆3374億円の黒字だったが、巨額の貿易赤字分を埋めることはできなかった。

 安倍晋三首相は10日の参院予算委員会で、経常赤字の拡大について問われ、「急速な変化を回避するためにも、経済再生を進め、デフレ脱却に向けて取り組んでいかねばならない」と答弁した。アベノミクスによる景気回復の「成果」を強調することが多かった安倍首相だが、この日は慎重に言葉を選んだ。

 4月の消費増税後は、消費者の買い控えによる一時的な景気の落ち込みは避けられないとみられている。夏場にかけて景気をV字回復させられるかどうかが安倍政権の正念場となる。

 経団連米倉弘昌会長は10日の会見で、消費増税対策として政府が決めた5・5兆円規模の経済対策の効果に期待するとともに、経常赤字縮小に向け「原発を早く安全に再稼働してほしい」と注文した。

 市場関係者は、安倍政権が6月にも打ち出す新成長戦略にも着目する。野村証券の木下智夫氏は「日本経済が弱いと、海外投資家は成長戦略をますます注視する」と述べ、大胆な規制緩和など経済政策へのプレッシャーが強まるとみる。(細見るい、山口博敬)

 ■先行き、震災時に次ぐ下げ幅

 2月の景気ウオッチャー調査で、消費増税後となる2〜3カ月先の景気判断を示す指標が1月時点より9・0ポイント低い40・0で、東日本大震災があった2011年3月(20・6ポイント減)に次ぐ下げ幅となった。「売り上げの反動減は避けられない」(近畿の百貨店)、「売り上げ減から人員の引き締めが発生する可能性が高い」(東北の人材派遣会社)などの声が出ている。

 現状判断も1月より1・7ポイント低い53・0と、2カ月連続の悪化。景気が横ばいであることを示す「50」はかろうじて上回ったが、小売店やレストラン、製造業など幅広い業種で景況感が悪化した。関東などを襲った大雪で客足が遠のいた影響も出た。自動車の駆け込み需要も一部の人気車種ではすでに増税前の納車が不可能となったため、勢いが鈍ったものもあるという。