藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当の変化はこれから始まる。

世の中には実に多様な意見がある。
情報が新聞と電波くらいしかなかった頃に比べれば、ネットを見ているだけで目が回る。
やれ日銀がどうとか、EUが分裂するとか、イスラムが台頭するとか中国が危ないとか。

こと日本については多くの人が「高度な共産主義国」と表現するが、これもそういう見方がある一方で、いやいや経済成長促進が命題だ、という人もいて百花繚乱。
自分なりに考え方や思想の軸を持っていないと全く定位感を失ってしまいそうだ。

日経の大企業の社員の負担が増える、という記事。
過去の国債の償還とか利払いもそうだが、これからの社会保障費をどこから捻出するかという議論も出口が見えない。
団塊の世代とかがまだこれから老後を控えているので、本番はまだ訪れていないのに。
今の保障水準を最低でも維持するのなら「持っている人」から負担せねばならないのは現代の日本に住む人の宿命だろうと思う。
"経済成長"という言葉を頼みに先送りしていても始まらないことは、多分ほとんどの人が分かっているので政治家もいい加減甘い言葉で包み隠すのではなく、抜本的な提案に着手する時期だろう。

ただし「出費を抑える努力」をどこまでするかを国民は見ているから、今みたいに斑(まだら)な議論を続けていては終わりが来ない。
グズグズしていて結局船が沈んでしまう、というのは経営者の一番愚かな行動だということを自ら感じて動ける政治家が踏ん張れるかどうかがここ数年の日本を決定づけるのではないだろうか。
その際には自分たちも「お為ごかし」に迷うことなくそうしたリーダーを支持せねばならないと思う。
いよいよ長屋の濡れ縁や赤提灯で政府の文句ばかりを言っていていい時代は終わろうとしているに違いない。
そして自分たちのことは自らで考えて選択しなければならないのだろう。


大企業の社員、負担ずしり 高齢者医療費 肩代わり重く
2015/1/25 23:30日本経済新聞 電子版
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 大企業で働くサラリーマンの社会保険料と税の負担が4月以降、じわじわと重くなる。高齢者医療費を現役世代が負担する仕組みを2015年度から見直す。平均年収の高い企業の健康保険組合はより多く負担するようになる。17年度にかけては給与所得控除の縮小も控える。アベノミクスによる賃上げの実感が薄れる可能性もある。(石川潤、藤川衛)


 なぜ、大企業会社員の負担が増えるのか。医療保険制度は、職業や会社によって入る保険が3つに分かれている。このうち、自営業者らの国民健康保険と中小企業会社員の協会けんぽは財政難で、税金の補助を受けている。一方、大企業会社員の健康保険組合は税金の補助はない。余裕のある大企業健保の負担を増やし、協会けんぽなどへの税金投入を抑えたいというのが政府の考えだ。
 そこで目をつけたのが、75歳以上が入る後期高齢者医療制度の拠出金だ。医療費は年間15.6兆円で、全体の約4割にあたる6兆円を現役世代が負担している。拠出金は毎年のように増え、各健保の財政を圧迫する要因となっている。


 現役世代の拠出金はかつて、それぞれの健保に対して加入者の数に応じて割り振ってきた。ところが高齢者医療費が膨らむにつれて、加入者の平均年収の低い健保が負担に耐えきれなくなってきた。政府は15年度から17年度にかけて、現役世代の負担分をすべて加入者の収入総額に応じて各健保に割り振る仕組みに変える。平均年収の高い企業の健保の負担を重くし、制度の崩壊を食い止める狙いがある。
 この結果、たとえば社員の平均年収が1090万円という健保の場合、社員1人当たりの年間負担額が8.5万円増える。半分を会社が負担するとしても、現役世代の負担感は増しそうだ。

平均年収の高い健保ほど負担が重く社員の
平均年収社員1人当たりの
負担額変化幅14年度17年度A健保330万円9.3
万円7.0
万円▲2.3万円B健保490万円10.4
万円10.4
万円変わらずC健保1090万円14.6
万円23.1
万円8.5万円
後期高齢者支援金の負担額、会社負担を含む、▲は減少
 負担だけでなく、健保サービスも低下するかもしれない。拠出金を捻出するために、保養所を売却した健保は多い。人間ドックや予防接種の補助を減らすなどのサービス縮小が予想される。
 稼ぐ会社員の負担増はこれだけではない。課税対象を減らせる給与所得控除が年収1200万円超は16年から、年収1000万円超は17年から縮小となる。所得税や住民税の負担は17年までに年収1200万円の会社員は3.2万円、年収1500万円の会社員は11万円増える。
 高所得の会社員に限った話ではないが、厚生年金の保険料も毎年上がっていく。年収1200万円程度の会社員であれば、これらの制度改正によって、買い物や貯金に回せるお金が年間で20万円以上減る可能性がある。
 こうした負担感を抑えるカギになるのが賃金だ。経団連は今年の春季労使交渉の指針で、給与水準を一律に底上げするベースアップを含め企業に「積極的な対応」を求めた。賃上げが続いていけば、税金や社会保険料が上がっても、負担感は薄まる。逆に賃上げが進まなければ、消費の抑制につながりかねない。


 ▼後期高齢者医療制度への拠出金 75歳以上が入る後期高齢者医療制度は2008年度に始まり、医療費の一部を現役世代が負担する。財源は税金が5割、現役世代の拠出金が4割、75歳以上の保険料が1割だ。現役が負担する理由は、世代間の助け合いという考えからだ。
 等しく高齢者を支えるという理念のもと、拠出金は各健康保険組合の加入者の人数に応じて決めてきた。実際に制度が始まると、平均年収の低い健保が負担に耐えきれない弊害が目立ってきた。特に中小企業会社員の協会けんぽは、保険料率が8.2%(08年度)から10%(12年度)まで上がってしまった。
 問題視した政府の社会保障制度改革国民会議は、13年8月に年収に応じて拠出金を決めるやり方を提案した。今年の通常国会で健康保険法が改正され、協会けんぽの拠出金を減らす一方、年収が高い大企業健保の拠出金を増やすことが決まる見通しだ。