よく「介護業界の人の給与が安すぎる」と聞く。
首相も待遇改善を、と言う。
けれど本来はいろんな産業の従業者の給与、というのは政治が口を出すことではない。
環境とか、エネルギーとか、国が主導したい部分の政策とか補助金とかはあるだろう。
けれどその業界の「従業員の処遇を改善せよ」というのはどうも解せない。
「いきなり他人の家に土足で上がりこむ」といった観がする。
記事中、
福祉職は、歴史的に従事者のボランティア的な熱意に支えられてきた経緯もあり、給与が低い傾向にあるのです。
だとすれば、早期にその「偏見」を取っ払って「真っ当なサービスの理屈」に戻す必要があるだろう。
「低い傾向にあるのです」では業界の志望者は増えるわけがない。
日本は世界に誇れる国民皆保険の国だけれど(欧米人は本当に驚く人が多い)、その"運用"には問題がたくさんある。
保険治療と先端薬との関係とか、
分野を跨いだ治療・投薬の連携とか、
終末医療や認知症対応の程度と種類とか…
少し乱暴に言えば「税金で賄わないと破綻するサービス」というのは"求める側と提供する側のバランスが崩れているから"である。
少しの間、国が補助金などで是正するのは方便だが、色んな「決断」ができなくて事態を引きずるのは政治の怠慢そのものだ。
どこまでのサービスに幾らくらい費やすのか。
医療も介護も、そして福祉も"及び腰でない"決断が必要なタイミングに来ている。
お金だけじゃない方法も、まだまだあるはずだ。
介護職給与、安すぎない?=回答・山田泰蔵
平均と10万円差 国の改善策追いつかず
なるほドリ 介護の仕事は大変そうなのに、給与が低いの?
記者 厚生労働省の統計によると、2015年の月給(税引き前)で比べると、全産業の平均が33万3300円なのに対し、福祉施設(ふくししせつ)で働く介護職員は22万3500円、訪問介護などのヘルパーは22万5100円でいずれも10万円以上低くなっています。
Q どうして低い給与なんだろう。
A 介護職員やヘルパーは勤続年数が短く、女性が多いという特徴があります。長く働きにくい労働環境や非正規労働者が多いことのほか、一般的な男女の賃金格差も全産業平均と差が生じる一因です。そもそも介護の仕事の位置付けが低いとの指摘もあります。
Q どういうこと?
A 介護事業者の主な収入は、介護保険制度に基づくサービスを提供して支払われる報酬(ほうしゅう)です。報酬は、利用者が支払う「原則1割分」、「税金」と「保険料」で賄われています。国は施設の入所費用や訪問介護費などサービスの内容に応じて報酬額を決めていますが、見積もられている人件費が低いのです。そのため事業者も国の見積額以上を給与に反映できないのです。
Q どうして国の見積もりは低いの?
A 介護職員は国の分類では保育士などと同じく「福祉職」とされています。福祉職は、歴史的に従事者のボランティア的な熱意に支えられてきた経緯もあり、給与が低い傾向にあるのです。また、単純な家事労働の代行だとみられている、との指摘もあります。
Q 認知症のケアなど単純じゃないよね。
A 介護の仕事は専門的で高度です。国も処遇改善(しょぐうかいぜん)に取り組んでいますが、追いついていません。看護師などのように専門性の高い職種と社会的に認識されれば、給与も改善されるのではないでしょうか。(生活報道部)
職種別平均月給(税引き前)
全産業平均 33万3300円
看護師 32万9200円
自動車整備工 29万 500円
ケアマネジャー 26万1600円
調理師 24万8100円
販売店員 23万9400円
警備員 22万9500円
ホームヘルパー 22万5100円
福祉施設介護員 22万3500円
保育士 21万9200円
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