藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

コンピューターと保険。

自動運転が普及するにつれ保険料や範囲も変わるという。
フル自動運転で事故が起きればメーカーの責任、だろうけど半自動とかだと確かに考えものだ。
けれど、どんどん「自動化」が進むことによって事故率はどんどん減りそうだ。

つまり「自分で運転する人」がいなくなればほとんど事故って起きないだろう。
それでも楽しさを求めて人手で運転する人はどれほどいるだろうか。

それはともかく。
製造、物流、サービス。
前者二つはこの100年で怒涛のような変化で革新され続けてきた。(今も変化は続いているけれど)

サービス分野は長年、テクノロジーに直接脅かされることはなかったけれど、これを「通信」という怪物が変えてしまった。
「誰とでも瞬時につながる」ということが、我われユーザーにとって「サービスそのもの」になってしまった。
もう「いらっしゃいませ。ニコッ。」ということだけがサービスではない。

欲しい時に欲しいものが宅配されてくるとか、
今の気分に合わせて友人から連絡が入るとか、
地球の裏側でモノ作りをしている若者に興味はありませんか?
とか。
ある意味アナログをデジタルがついに追い越してしまったとも言えそうだ。
アナログはずっと残るけれど、その何倍もデジタルが「量」で圧倒してしまったのだと思う。

自動運転時代、試される損保 リスクや法制度見極め
急ピッチで開発が進む自動運転技術。その行方を慎重に見守るのが損害保険業界だ。損保の収益の約5割は自動車保険。自動運転で「事故が起きないクルマ」が普及すれば、自動車保険はどうなるか。損保各社の経営戦略が試されている。

 「自動運転は現行の自動車と異なると考え、法的枠組みを官民で検討すべきだ」。18日にスイスで開いた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。非公開の自動運転車セッションでSOMPOホールディングスの桜田謙悟社長は国内外の自動車メーカー幹部を前にこう力説した。

 自動運転への注目度は世界的に高まっている。ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2015年に実施した調査によると、米国の消費者の55%が今後5年以内に車を購入する場合、部分的な自動運転車を買いたいと回答。今後10年以内に広げると、44%が完全な自動運転車を買いたいと答えた。

 損保にとって問題はその理由だ。部分的自動運転車を購入する理由については「自動運転車だと保険料が安くなるから」が最も多かった。自動運転の普及は損保の収益の根幹を揺るがす問題になり得るわけだ。

 桜田社長は「自動車保険はなくならない」とみる。桜田社長が描く未来は完全自動運転車と部分的自動運転車が混在する状態。法的枠組みの検討を提起したのは、自動運転の普及時に適切な保険料を確保することが大事だと考えているからだ。このため「各社がデータを持ち寄り、官民で新たな保険料を決める必要がある」と訴える。

 これに対し、あいおいニッセイ同和損害保険の金杉恭三社長は自動車保険市場は縮むとみる。安全技術は日進月歩で「完全自動運転は難しくても安全技術の進化で事故の頻度や被害額は徐々に減る」と判断しているからだ。金杉社長は新たな保険料の設定よりも「縮むパイの中でシェアを広げるため、トヨタ自動車との関係が近い利点を生かす」戦略を描く。

 一方、こんな見方もある。MS&ADインシュアランスグループホールディングスの柄沢康喜社長が注目するのは自動運転が生む新たなリスク。事故は減っても、自動運転システムがサイバー攻撃にさらされるリスクが生じる。柄沢社長は「自動運転が普及すると一気に大災害が起きる危険性もある」と指摘。自動運転時代には新たな保険が必要になると読む。

 技術的に自動運転が可能になっても法的な問題は残る。例えば完全自動運転車が誤作動で事故を起こしたら、誰が賠償責任を負うのか。東京海上ホールディングスの永野毅社長は「法的な課題が解決するまでにはかなりの時間がかかる。それまでは素早く被害者を救済できる仕組みが必要になる」と考える。

 このため東京海上日動火災保険は4月から自動運転中の事故も補償する特約を自動車保険に無料で付帯する。「自動運転の普及までの残された時間に新たな収益源をつくる」(永野社長)として新種保険の開発に力を入れる方針だ。

 今でこそ損保の収益の約半分を占める自動車保険だが、歴史的には「海上保険から火災保険、自動車保険、賠償保険と常にリスクの形に合わせて変わってきた」(柄沢社長)。自動運転時代には新たな保険の必要性が生じる可能性もある。損保が培ってきた柔軟性や適応力が改めて試される時代が迫っている。