藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

運送からの解放。

物流の規制が緩やかに緩和されている。
シェアの波はどうにも止まりそうにない、と思う。
一昔前ならば外国で異方者が乗り合いバスになぞ乗ると、すぐ「追い剥ぎに遭う」と注意されたものだ。
(ほんの15年くらい前のアジアの国の話です)

多分ITの発達もあって、安全面もずい分と高まってきたのだと察する。
そして「こういう波」は一度その方向へと向くとそれこそ怒涛のように流れを作るものだ。
人の物流に先んじて「物の流れ」は一気に効率化へとシフトするだろう。

日本や世界中の移動が、極限まで効率化され、自動化される。

そういう意味ではこれまでずい分と人間的だった「運ぶ」という営みが、一気に「ロジスティクス」という名に変わり整然とした流れに変わって行く気がするのは自分だけだろうか。

ここ2000年、いや数千年も人が行っていた「運ぶ」という行為は、ITと機械のおかげでいよいよなくなるのかもしれない。
物流の量はますます増えて、でも道路は整然とした感じになるのではないだろうか。

バス・タクシーで宅配荷物を運送 規制緩和、9月から
 国土交通省は、宅配用の荷物と旅客を同時に運べるようにするため規制を緩和する。路線バスがこれまで以上に多くの荷物を運べるよう重量制限を撤廃する。地域限定で、タクシーが荷物だけでも配送できるようにする。運送・物流業で担い手不足の深刻さが増すなか「貨客混載」と代替輸送によってサービスの効率化を進め、人手不足に対応する。

 国交省はこれまで旅客運送の安全を確保する観点からバスやタクシーは旅客、トラックは貨物の運送に特化させてきた経緯がある。政府の規制改革推進会議が物流業の危機的な人手不足を背景に規制緩和を求め、ヤマト運輸も「地方の宅配ビジネスの可能性が広がる」と主張してきた。

 国交省は9月、貨物自動車運送事業法道路運送法に関連する新たな通達を出す。バスやタクシー、トラックが旅客と貨物の運送を兼ねることができるようにするのが柱で、荷物を運ぶ場合の積載量などを示す。

 今回の規制緩和で、旅客を乗せるバスでも法律の認可があれば、全国どこでも大型の荷物も運べるようになる。今は法律上350キログラム未満の荷物しか配送できないが、この重量制限を撤廃する。バスの中に、新たな積載スペースを設けて荷物を運ぶことが可能だ。

路線バスに設けられた保冷庫に荷物を積み込むヤマト運輸の社員(1月、宮崎県西米良村

 ヤマトは宮崎交通と手を組み、試験的な取り組みを2年前から先行して始めている。宮崎交通が持つ路線バスを使い、ヤマトがまず物流拠点からバスに荷物を運び入れる。バスが別の地域の停留所に着くと、ヤマトの従業員が荷物をおろして個人宅に配送する。途中の輸送方法をトラックからバスに代替する手法を全国で展開する。

 タクシーや貸し切りバスに関しても規制を緩和する。これまで認めていない貨物の運送を過疎地に限って容認。過去25年で人口が2割超減っていることなどを目安に実施地域を選ぶ。過疎地の交通インフラ機能の劣化を防ぐ狙いがある。

 タクシーが地方の中核都市で客をおろす。その後、近くの民間事業者の物流拠点で荷物を積み込み、物流拠点や個人宅などに運ぶといった事業モデルが想定できる。反対に、「赤帽」などトラック業者が旅客自動車運送事業の認可を得れば、過疎地で旅客を乗せることも可能になる。

 発着地のどちらかが過疎地であればよく、走行距離に規制は設けない。貸し切りバスも、タクシーと同じように荷物を運べる。運送料金は荷物を運ぶタクシーやバス会社が決めるため、料金の多様化も促しそうだ。

 ヤマトなど物流事業者にとっては、自社のトラックによる輸送を減らせる利点があり、バス会社はヤマトからの運送料金を得ることで収入を補完。路線の維持にもつながる。全国の自治体で物流業者と運送業者の連携が広がる可能性が高く、過疎地の交通インフラ網の再整備も期待される。