藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

普遍的なこと。

日経より、五十代になって変わらずキャリア進化をしている女性の記事。

(また単にお客様のことだけではなく)、プロダクト、競合、業界の構造など、自分の仕事に関わることは、どんなことでも、全体像と細部をできる限り把握するように努めてきました

これは大事だ。
「全体像と細部」というのがキモだと思う。
全体像という意味では、たいてい関わってくる「隣接の」行政とか法律とか政治とかマスコミとかも重要だ。

しかもマクロで総論ばかり研究しても、実務の助けにはならない。
「神は細部に宿る」から、現場の実務のことを知らずには新しいアイデアは出てこない。

世の中に成功のためのコツを記した著作は数多いが、
1. 自分の「勝ちパターン」を身につける
2. 直感や「心の声」を大事にする
3. 新しい世界に足を踏み入れ、体験し、学び続ける
こんなとところに集約されているのではないだろうか。

大事なのは、自分がどこに進んでいるのか?
を考える余裕(というか技術)なのだと思う。

50代で起業、シンガポール女性に学ぶ「エイジレスに生きる3つのヒント」
1/20(土) 11:00配信
「アラサー」や「アラフォー」という言葉のなかに、皮肉や自嘲のようなニュアンスを感じることはありませんか。いまだに女性に対して、20代が市場価値としては最高といった見方も少なくありません。

日本の社会で生きるうえで「世間からどう見られるか」は、いまでも日々の生活や人生の選択において大きな価値基準。とりわけ、「年齢相応か」という観点はその際たるものといっても過言ではありません。そうした旧弊な価値観が、無意識のうちに私たちの中に「年齢によるハードル」をつくり出し、本来ある可能性を蝕んでいるということに、日本の外で生活を始めて、初めて気づかされました。

海外でも「年齢相応か」という基準がないわけではありません。でも、私がいま暮らしているシンガポールでは、日本よりもそうした価値観に縛られず、充実した人生を生きている人たちをたくさん目撃することができるように思います。

クリスティーナ・テオさんもそんな「エイジレス」な生き方をする女性のひとり。シンガポール生まれの彼女は、現在54歳。起業する女性を支援するコミュニティ「Startup Asia Women」の創業者兼代表として、一度に数100名以上を動員するスタートアップのイベントを何度も開催し、成功させています。

いまやこの国のスタートアップ業界では、その名前を知らない人はいないコミュニティのひとつです。去年の11月からは新たに会社も立ち上げ、自ら社長としてスタートアップ企業を経営するという新しいチャレンジもはじめています。

実は、そんな彼女が、シンガポールに戻ってきたのは2016年のこと。社会人になってからのほとんどを、台湾、フランス、イタリア、香港、ニューヨークといった国外で過ごした彼女は、当初母国に戻る気はありませんでした。46歳で結婚し、その後拠点にしていた香港から帰ろうと思ったきっかけは、80歳を越える高齢になった実母の存在でした。万が一の時に備えて母と暮らそうと、夫を香港において、独りシンガポールへ戻ってきたのです。

今でこそ確固としたステイタスを持ち活躍していますが、帰国当時はまさにゼロからのスタート。自分ではなく、家族の都合での引っ越し。また海外での生活が長かったこともあり、シンガポールでの交友関係やビジネス・コネクションはなきに等しい状態でした。

でも、せっかく帰ってきたからには、シンガポールでも何か意味のあることをしたい。このような思いでクリスティーナさんを突き動かしたのは、豊富な海外生活の体験で得た「エイジレスな生き方」でした。

クリスティーナさんの人生から学ぶ「エイジレスに生きる3つのヒント」をご紹介しましょう。

1. 自分の「勝ちパターン」を身につける

クリスティーナさんは23歳で海外での仕事をするチャンスをつかみます。キャリアのスタートは台湾のコンピューター関連機器メーカーAcer。以来IBM、Yahoo、O2、CSL Hong KongなどITや情報通信関連業界の大手企業を中心にキャリアを積んできました。

彼女がこの業界に入ったのはちょうど1980年代後半、パーソナルコンピュータ(PC)が普及し始めた頃。それに合わせてインターネットが生まれ、爆発的に広がり、それがスマートフォンの誕生に繋がっていく、まさにその流れとともに歩んできました。

時代の最先端を行く業界だったこともあり、任される仕事はこれまでやったことのない仕事ばかり。30代前半でYahoo! Singapore初のゼネラルマネージャに就任し、シンガポール拠点立ち上げをすることになったときには、インターネット業界、いわゆるドットコム企業での経験はゼロ。また40歳で世界初のウィンドウズ版スマホの発売をリードしたときにも、関連する経験はゼロ。

そんななかで彼女が見出した未経験の仕事を成功に導くための秘訣は、「どんな仕事も常に当事者意識を持って取り組むこと」ということでした。

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若くして見つけた自身の「勝ちパターン」

「20〜30代の頃に仕事で意識していたのは、自分が目の前にいるお客様にとっての唯一の窓口となり、お客様の状況をすべて把握できるようにすること。また単にお客様のことだけではなく、プロダクト、競合、業界の構造など、自分の仕事に関わることは、どんなことでも、全体像と細部をできる限り把握するように努めてきました」

「そうすることで、自分自身仕事がしやすくなることはもちろんのこと、一緒に仕事をする関係者や同僚や上司も自分に信頼を置いてくれるようになります」と振り返るクリスティーナさん。

「臆することなく未知の分野に足を踏み込んで、自分の役割を見出していく」という現在まで通じる彼女の「勝ちパターン」は、仕事に夢中になって過ごした当時の体験が土台になっているようです。

2. 直感や「心の声」を大事にする

20代や30代の女性といえば、キャリアでの成功はもちろんのこと、恋愛や結婚といったプライベートでの幸せも気になる年頃。でも仕事に夢中だったクリスティーナさんにとって、正直なところプライベートの幸せは二の次でした。

「幼い頃から夢見ていた海外での生活が叶って、本当にエキサイティングな生活を送っていました。恋愛ももちろんしていました。でも、どのぐらいそこにいるのかわからないなかで、深く関係を築くということは難しい状況でした。素敵な人に出会っても、友達のままでいることを選んだこともたくさんありました」

「正直なところ、自分のやりたいことに夢中になっているときに、誰かと人生をシェアするということを進めるのは難しいと思います。当時の私は『いまはキャリアが一番大事』だとわかっていたので、仕事を優先することに納得していました」

そんなキャリア一筋で過ごした彼女に、40代早々で大きな転機が訪れました。世界初のウィンドウズ版スマホを発売するという大きな仕事に関わり、その仕事が一段落していた41歳のとき、当時の上司から何げなくかけられたひと言で目が覚めたと言います。

「クリスティーナ、次は、このスマホを発売するからよろしく!」と言われた彼女はハッと気づきます。確かに目の前の仕事は面白い。でもこのままビジネスの世界にいたら、次から次へと出てくる新たな仕事に関わり続けて行くことになる。そして、次のような「心の声」を聞いたのです。

「いまの自分が求めているのは、さらなるキャリアでの成功を積み上げていくことではない」

この直感的かつ強い気持ちに突き動かされ、あと数か月会社に残れば手に入った大金のボーナスも受け取らず、突如会社を退職。「夫探し(!)」にニューヨークに行くことを決めます。なぜニューヨークだったのか。それは当時人気を得ていたアメリカのテレビドラマ「Sex and the City」の影響でした。

行ったところで結婚相手なんて見つかるはずないと周りの友人からは散々バカにされながらも、クリスティーナさんはニューヨークに長期滞在するために大学院へ進学。それでもあくまで本当の目的は、「そこで旦那さんを見つけること」だったのでした。

ニューヨークでは自身のこれまでのキャリアのことなどは一切明かすことなく、まるで新しい人生を生き始めたかのように生活。そして約4年を経て、当初の目的であった「人生の伴侶」を見つけ、46歳で結婚しました。

仕事をやりたいと思う時期は思いっきり仕事をする。でもプライベートの幸せが欲しいと思ったら、それも素直に行動に移して追求する。クリスティーナさんのような直感や自分の心の声を大事にする姿勢は、「エイジレスな生き方」の大きなポイントのように思います。

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躊躇せず新しい世界に足を踏み入れる

3. 新しい世界に足を踏み入れ、体験し、学び続ける

実母の近くにいたいという思いから、長年の海外での生活に終止符を打ち、母国シンガポールに戻ってきたクリスティーナさんでしたが、そこでそのまま静かな生活に終わらないのが彼女の真骨頂です。

せっかく帰ってきたからには何か世の中に意味のあることをしたい。そんなことをぐるぐると考える日々のなかで頭に残ったのが「スタートアップ」という言葉。まさにシンガポールではゼロからのスタートだった彼女にふさわしい言葉、それが新たな人生の幕を開くキーワードともなりました。

「スタートアップと聞いて、なんとなく面白そうだなと思いながらも、それがなんなのかはまったく知りませんでした。そんなとき、世界最大級のスタートアップの祭典といわれる「Slush Asia」に参加しました。そしたらビックリ。国内外の多くの起業家や投資家の講演があり、彼らが現在取り組んでいるビジネスやそこから見えるこれからの世界のことを聞くことができたのです」

クリスティーナさんが「Slush Asia」で見聞きしたものは、すべてが素晴らしくてエキサイティングだった。ほんとうに新しい世界に足を踏み入れたという感覚を得た彼女は、そこからスタートアップについてリサーチを始め、さまざまな起業家から話を聞きます。そのなかで大きな気づきを見出すのです。

「私自身はこれまで起業の経験はありませんでしたが、所属してきた大企業では、新規事業の立ち上げや自分しかいないひとり部署への配属を何度も経験していました。それらの経験を生かして、現在スタートアップ経営者たちの力になれることがたくさんあるということに気がついたのです。まさに、自分自身が探していた『世の中に意味のあること』を見つけた瞬間でした」

立ち上げから1年足らずにもかかわらず、クリスティーナさんの「Startup Asia Women」はシンガポールのスタートアップ業界で広くその名を知られるコミュニティに発展。今では新たに自身の経営する会社も立ち上げています。

「自分で新たに起業したのは、私自身も一経営者としてスタートアップ経営の経験を積んでみたいと思ったことが第一です。またその経験を通じて、コミュニティもより有益なものにできると考えているからです。この歳になっても、世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあって、学ぶことがたくさんある、最近あらためてそう感じています」

いつでも躊躇せずに新しい世界に足を踏み入れること。そしてその世界を自分の五感を使って体験すること。そしてそこから学び続けること。クリスティーナさんの軌跡を辿っていると、これが「エイジレスに生きる」ための大きな秘訣であると気付かされます。

テクノロジーの発展により、環境や経歴、年齢などの条件に縛られずに、より自由にクリエイティブに生きていくことができる状況が整ってきました。また個人の幸せのあり方も多様化し、自分らしい生き方を選べる時代を迎えつつあります。巷では「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになり、ようやく日本でも、政府主導で「人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現」していこうというイニシアチブもとられています。

そんなときにこそ、クリスティーナさんがその人生で会得してきた「エイジレスに生きるヒント」は役に立つかもしれません。