藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

眠っている人材を再生する。

路上で生活する人に事情を聞いてみると、実に様々な背景がある。
「なぜ行政に保護を求めないのですか?」という問いには実に複雑な事情があるものだ。
人生は一筋縄ではない。

メンタルや病気のこと、家族関係のこと、過去の人間関係、しかも何より「社会と契約する部分」で拒絶されてしまうのだという。

例えば部屋を借りるにも現住所はなく、定職もなく、保証人もいない。
これだけで詰んでいる。
現住所のない人を先んじて雇ってくれる企業もない。
行政やNPOが保護してくれる場合もあるが、ほんの少数でしかない。

日本中から被災地に衣服を贈るのではなく、ホームレスの人たちに。
適性を聞き取り、カウンセリングしながら風呂に入ってもらい、髪を整えて、ニーズのありそうな職場に送り出す。

コンビニなら清潔なジーンズでも構わない。
キャリア次第では運転手や事務職だってあるだろう。
建築・造船・介護・宿泊・農業の「人手不足代表業種」なら歓迎されるのではないだろうか。

「宿と衣服と整髪と」を準備して、かかった費用は「雇う側の採用コストにする」というビジネスモデルは成り立たないだろうか。

今ボランティア団体がしている活動を、事業としてやれる時期が来ているのではないかと思う。