藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

勝者の心構え。

*[次の世代に]今欠けているもの。
春秋より。
大規模なテロを目の当たりにするたびに、その被害の酷さにばかり目がいってしまう。
記事で指摘されているように「恨みは恨みを生み続ける」と言ったのは坂本龍馬だったか。
出典は最古の仏典からだそうで、いかに人の本質は変わっていないのかと嘆息する。
 
まあけれど「問題」が分かってしまえば解決の道はあると信じたい。
「恨みを捨てる」という正解にいかに近づくか"がこらからの課題なのに違いない。

三国志などを見てみると、群雄割拠の中で「勝者は相手の責任者のみを裁いて、国の民には平安を」という原則が貫かれている。

今の時代には、勝者が「勝った際の品格」がなくなっているようだ。
「勝ち慣れ」していない、経験不足が今のような「自国至上主義」を生んでいるのだとしたら、日本はそうならないようにしたいと思う。
 
春秋
「怨(うら)みに報いるに怨みを以(もっ)てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む」。最古の仏典のひとつとされる「ダンマパダ」の一節である(中村元訳)。日本で広く知られるようになったきっかけは、1951年のサンフランシスコ講和会議だろう。
▼セイロン(現スリランカ)代表だったジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナが、勝者にも敗者にも求められる心構えとして引用し、対日賠償請求の放棄を表明したのである。後にジャヤワルダナはスリランカの首相や大統領をつとめた。経済の自由化や大統領が実権を持つ政治体制への移行など、残した足跡は大きい。
▼一方、血で血を洗う内戦が始まったのも、その大統領任期中であった。流血は26年に及び、ようやく終結したのは2009年。10年を経て平和の定着を多くの人が実感しつつあったところに、先の連続テロである。「ダンマパダ」の理想を実現するのがいかに難しいか、この国の苦難の歩みが浮き彫りにしてきた感もある。
▼平成の30年あまりは、近代になって初めて日本が戦争に加わることのなかった時代だった。背景に過去の日本への反省があったのはいうまでもない。と同時に、ジャヤワルダナがサンフランシスコで示したような、勝者の側の寛容もあった。きょうは平成最後の「昭和の日」。改めて歴史を振りかえり、理想を確認したい。