藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

考えて縮むために

*[高齢化]インフラとコミュニティから考える。
人間の高齢化も大問題だが、地方のインフラも限界が見え始めているようだ。
止めどない老朽化。地方自治体はこの現実を前に、住民とぎりぎりの調整を続けている。
いくら調整をしても、集落の限界値を超えてしまっては上下水道や公共施設を維持するのはどうにも難しい。
そもそもインフラの整備って世界各地で様々で、イタリアの田舎町などは未だにギシギシいう木の橋だったり、下水道の未整備なところも多い。
東南アジアの田舎なんて水道もなく、道路は未舗装でデコボコでも「そんなものでしょう」という感じだ。(中国の高速道路には所どころ穴が空いていて怖かった)
要するに全国で均質にインフラが整備されている日本がすごかった、という話。
これからはこういうインフラ劣化の問題がすごく増えてくるだろう。

政治や行政はそうした事態を予測して「コンパクト化」する街の計画を主導する必要があると思う。

「近距離の"中心地への移住"を計画しながら、積極的にコミュニティを再編成する」という試みが必要になるだろう。
空き家の活用とか、医療や介護の仕組みとか、法の整備とか、若手の呼び込み策とか、街の観光宣伝とか、いろんな活動が全部重要だ。
インフラや地域の維持のために、「あえてコンパクトな街づくりをみんなでしましょう!」という「地方コンパクト党」を結成してはどうだろうか。
そこが地方分権・地域創生の核になるのではないだろうか。
 
 
老朽インフラと闘う(2) 橋をなくす苦渋
2019年5月14日 17:00
「目と鼻の先にあった対岸のバス停からは病院までの直行便があった。橋がなくなった今、同じバスに乗るには車が行き交う国道を1キロ以上歩かなくてはいけない」。秋田県のほぼ中央の山あいにある上小阿仁(かみこあに)村。3月下旬、集落代表の武石悟(66)は昨年暮れからの撤去で一部を残すばかりとなった「上小阿仁橋」(全長120メートル)を前につぶやいた。
撤去が進む上小阿仁橋を前に話す集落代表の武石さん(秋田県上小阿仁村)
日中戦争が開戦した1937年に完成し、取り壊される日までの約80年間、村が管理する橋の中で最長を誇った「我々自慢の橋」。しかし2016年の点検で、主桁の鉄筋露出など著しい劣化が見つかった。
村の人口は県内自治体で最少の2300人。65歳以上の高齢化率は50%を超す。利用者の回復が見通せないなか、改修や架け替えの余力はない。村長だった小林悦次(64)は廃止を決断せざるを得なかった。「たとえ架け替え費用を捻出しても、維持管理費まで負担し続けられない。痛みを強いる結果になったが、迂回路が確保されている以上、少数のため、その他多数が負担する選択肢は取れない」
日本三大暴れ川と呼ばれる吉野川。その上流にかかる徳島県三好市のつり橋「大川橋」も存亡の危機に揺れる。点検で「緊急に措置を講ずべきだ」と判断され、18年9月に通行を禁止した。架け替えには7億円がかかる。市建設部管理課主幹の頭師幸隆(52)は「すぐ支出できる額ではない」と頭を抱える。
問題を複雑にするのは、大川橋に「文化財」の側面もあることだ。地元林業家が1930年代に独力で架け、後に寄贈。悲願だった鉄道駅の誘致にも一役買った。住民の愛着も深く「なんとか残してほしい」との声は根強い。一方で「消滅可能性都市」と名指しされたこともある同市にとって通行できない橋の維持費を背負い続けるほど財政に余裕はない。「廃橋も含めて5月からの説明会で住民に丁寧に理解を求めていく」
国土交通省によると、これまでに撤去・廃止を決めた道路橋は全国で137橋。人口減少が加速する中、費用と便益をてんびんにかけ、改修や架け替えを断念するケースが相次ぐ。上小阿仁村の武石はいう。「廃止の判断は仕方がない。ただ、我々自身も高齢となり、『不便』を乗り越えるだけの力は、そんなに残っていない」。止めどない老朽化。地方自治体はこの現実を前に、住民とぎりぎりの調整を続けている。
(敬称略)