*[ウェブ進化論]奪われるのではなく、その先。
それにしても。
世の中、一気に「自動運転ありき」に走っている。
ここまで統一的にムーブメントが起こるのは、やはり自動車という「世紀の基幹産業」のせいだろうか。
自動車は、今後瞬く間にテストを繰り返し、最初は限定的な区域で。そのうち一般道でも走り出すだろう。
今でも取りざたされているが、それは「ドライバー」と言われる人の職を奪うけれど。
そうだ。
というかずっと「奪ってくれてきた」歴史がある。
自分が幼い頃に駅にいた「改札の切符切り員」はもういない。
早晩、路線バスの運転手も、タクシードライバーもいなくなるだろう。
そして駐車場や工事現場の警備員も機械に置きかわるだろう。
今は風物詩の、(外国人の)コンビニの店員も無人になるだろう。
ホワイトカラーも労働者もコンピューターの脅威を問題にするのではなく「その先でできること」を考えるチャンスだ。
せっかく「機械が自分たちの代行をしてくれること」について「職を奪われる」などと反発するのは悲しすぎる。
労働からの解放、を素直に喜びようやく「自分だからできること」を考える好機の到来だ。
まだまだ機械には「愛想のいい接客」とか「その人に合わせた話題づくり」なんかはしにくいに違いない。
そんなところに、キラッとしたチャンスは転がっているだろう。
何十年も先の未来には、そんなところも機械が克服しているかもしれない。
さて「そんな時代」には自分は何ができるのか。
そんな次の次の時代、について考えておきたいものだ。
[FT・Lex]ルノー・日産が米自動運転開発会社と提携
2019年6月24日 2:46
パリの環状高速道路は自動運転車にとって、究極の難関だろう。コンピューターはストレスがかかる渋滞での運転を習得できるだろうか。
米展示会に出品されたウェイモの自動運転車=ロイター
3社はフランスと日本で、自動運転の輸送サービスを始める計画だ。現地に別々の合弁会社を設立するのは、国内市場が標的であることを示す。運転環境や習慣が異なるだけでなく、「安全な」自動運転車について、世界共通の定義は存在しない。
それでもウェイモとの提携は、自動車メーカーが電気自動車や自動運転技術によるディスラプション(創造的破壊)を生き延びるためには、世界規模の連携が必要であることをさらに認めるものだ。
ルノーとの330億ユーロ(約4兆310億円)相当の経営統合を改めて提案すべきかどうか検討中の欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)も、このことを忘れるべきではない。FCAは今月初め、条件を巡って折り合わず、ルノーとの統合提案を撤回した。
ルノーと日産のウェイモとの提携は、困難を増す両社の連合が活力を取り戻す可能性があるという意味では有用かもしれない。ただ、フランスと日本の自動運転部門を分けておくことで、将来の連合の解消が容易になるだろう。
公道実験を実施中
2009年に設立されたウェイモは、フェニックスで自動運転車の公道実験を実施している。同社は自動運転技術の開発では先頭を走っている。今度は日本と欧州の提携企業を得て、それほど太陽が降り注がず、規制の枠組みも異なる地域で、自らのビジョンを試す機会が与えられる。
FCAとルノーの統合案は、規模の経済が得られるかどうかによる。50億ユーロのコスト削減が可能だと言われている。ウェイモの連合は、別の意味で規模が問題になる。自動運転車が成功するためには、何年にもわたる多額の投資が必要になる。特に安全性について、消費者と規制当局に納得してもらう必要がある。
スイス金融大手UBSによると、運転手の要らない「ロボタクシー」が世界に普及すると、30年までに2兆ドル(約215兆円)以上の収入をもたらす可能性がある。コンピューターが制御するサービスが、公共輸送機関にも従来型のタクシーにもとって代わる。
いつの日か、自動運転車が危険を冒してパリの環状高速道路を走る日が来るかもしれない。
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