藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

クラウド保険。

*[ウェブ進化論]再びロイズ。
FTより。
世界最大の保険組合であるロイズの将来について。
海運の船荷を無限責任で引き受けていたという発祥だが、まだ体質はそのまま残っているらしい。

ロイズでは個々のアンダーライターが直接保険取引を行うのではなく、シンジケートと呼ばれる会社を通じて保険を引き受ける。(wikiより)

などといろいろとその仕組みは複雑らしいけれど、こうしたものこそ「クラウド化」してはどうだろうか。
 
記事では「ハイテク化で再建をめざす」と書かれているが、個人が自分のリスクで保険を引き受けて「お金を供託」し、損失が起こらなければ保険料をもらう。という仕組みは十分実現可能である。
査定とか保険レートとかは既存の保険会社のものを利用していけばいいだろう。
自分の負える財産の中で「一人保険引き受け」を解禁すれば、怪しいFXや仮想通貨に手を出すよりよほど納得感があると思う。

 とここまで書いてそれって「そもそものロイズそのもの」だということに気づいた。

最初の発想をクラウド化するだけだが、シンプルで良いのではないだろうか。
 
でもまた「それ」を細かく証券化する人たちが出てきたりして、どんどん目に見えないものにはなっていくのでしょうが…
 
 
 
  [FT・Lex]英ロイズ保険組合、ハイテク化で再建めざす 

世界最大の保険組織である英ロイズ保険組合。楽観的な名称をつけた救済計画を打ち出してはそれを中断してきたのが最近の歴史だ。保険市場が破綻の瀬戸際にあった1990年代半ばには「再建と再生」戦略が作成された。9月30日に発表された最新の「ブループリント・ワン」は過去2年間の巨額損失の挽回を目指しているが、これもまた明るい将来を約束する最後のPDFファイルにはなりそうにない。

 
    ロンドンのシティーにあるロイズ保険組合で働く人々=ロイター 

まん延するセクハラ撲滅が最優先

ロイズは300年以上にわたって世界の競争相手を寄せつけなかった。会員に金融取引の場を提供する市場の最後の生き残りのひとつであり、他では購入できない専門的な保険を提供してきた。そうした長い伝統が最近では重荷に見えるようになっている。
 
銀行や企業経営の進化発展とは無縁できたロイズ。それはさながら粗野でバンカラな昔ながらの男子校文化を保つロンドンの金融街、シティーの最後の砦だ。調査でセクハラがまん延していることまで発覚している。それを終わらせることが昨年10月に最高経営責任者(CEO)に就任したジョン・ニール氏の最優先課題で、ブループリント・ワンにもこれが優先順位第1位と明記されている。
 
同計画が焦点を合わせる第2の優先事項はブローカー(保険契約仲介業者)とアンダーライター(保険引受業者)が持つ既得権、高コストの改善だ。2017年と18年で計30億ポンド(約3960億円)に及んだ損失は大規模な自然災害があったことと保険引き受けが弱かったことに起因する。こうしたことで市場にもともとあった非効率性は覆い隠されてしまった。
 
90年代以降、機関投資家の資金がそれまでの伝統だった無限責任を負う個人である「ネーム」の資金にとって代わるようになった。しかし、保険の販売手法は複雑なままだ。保険料収入に対する事業費率は約40%で、スイスのチューリッヒ保険など競合他社より10ポイントも高い。
 

高コスト改善、ハイテク化を求める

ニール氏はロイズをハイテクを駆使したオープンソースの保険プラットフォームに変身させる計画だ。そうなれば事業費率は約30%に抑えられるだろうし、安価なシステムを活用して事業を単純化すれば3年以内にさらに5ポイント引き下げられる可能性も出てくるだろう。
 
夢のような話といえばその通りかもしれない。ロイズの保険の約半分は標準的保険商品のため、取引の自動化は簡単なはずだ。しかし、ロイズの強みは専門的な保険の引受業務にあり、それには人と人が直接顔を合わせるやりとりが必要でコストは高くなる。
 
そうではあるが、ロイズに加盟する保険会社の中には成功を収めているところもある。それは市場全体の強化も可能であることを示唆している。世界金融危機以降、そうした保険会社で上場しているビーズリーランカシャー・ホールディングス、ヒスコックスの株価は欧州の保険会社をしのいでいる。
 
ロンドンの他の大型会員制市場はすべて過去のものになってしまった。会員が奮起しないとロイズも同じ道をたどることになる。