藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

偽りの投資

*[次の世代に]大切なのは使いみち。
日経より。
ESG(環境とかソサイエティとかガバナンスとか)の指標銘柄が注目されているという記事。
この手の話がで始めたのはもう20年以上前だったと思うが、結局中途半端なものになっている。
というか、そもそも「企業価値の上昇」とか「株主利益」とか「ROI向上」とかいう話と矛盾する。
 
温暖化防止とか、事故死者削減とかいう話と、ハナから軸がずれているのだ。
自分が独立したての30年前、先輩から「利益の極大化が会社の使命だ」と聞かされた時の違和感はそのままだ。
利益を伸ばすのか。
資産効率をあげるのか。
自然を守るのか。
犠牲者を出さないのか。
資本主義はそもそも矛盾を抱えている。 
そうした「社会コスト」と言われるようなものは見て見ぬ振りをして、現在にいたる。
今でも利益を追求する企業と、自然破壊や事故や貧困を解決する動きは別々の存在だ。
自分はおそらく「税金の使われ方」に問題があるのだと思っている。
せっかく利益を出した企業から徴収した税金が、きちんと「公(おおやけ)」のために使われていない。
国とか官僚のシステムが機能不全を起こしているのだと思う。
ネットを使うことで、これが解決されていけば環境や貧困の改善は飛躍的に進むだろう。
税金は収める側が、きちんとその使途を見届けることが目標になるに違いない。
 
  株、ESGで選別厳しく 三菱自やネットワン急落 
 
22日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅反発した。前日比120円高の2万3985円で前場を終えた。前日に大幅下落した反動で半導体関連を中心に買い戻しが入った。テクニカル分析面では25日移動平均(2万3790円)が下値支持として働いている。相場を森に見立てると大きな変化はみられないが、木に視線を移すと投資家の選球眼が光っている。ESG(環境・社会・企業統治)による選別が威力を増している。
 
前場三菱自動車が急落し、株式併合考慮後で2016年4月27日に付けた上場来安値(412円)に接近した。ドイツの検察当局が21日、三菱自ドイツ国内の関係先10カ所を家宅捜索したと発表。同社製ディーゼル車の排ガス規制に関する不正疑惑が浮上し、業績やESGの観点から売りが膨らんだ。
 
「新車販売が苦戦するうえ、自動運転などの開発をまかなう資金力に乏しく、さらに買えない材料が増えた印象だ」。ファイブスター投信投資顧問の大木将充運用部長は話す。
 
取引時間中には日本経済新聞電子版が「東芝連結子会社東芝ITサービス(川崎市)で発覚した架空取引に、東証1部上場のシステム開発企業、ネットワンシステムズと日鉄ソリューションズ(略称、NSSOL)が関わっていたことが22日、分かった」と報道。ネットワンは一時7%あまり急落し、NSSOLも下げ幅を拡大した。
 
欧州で始まったESG重視は、日本でも無視できなくなっている。あおぞら投信の柳谷俊郎会長は「20年に新規設定するファンドについてはESGを評価項目として新たに加える方針だ」と明かす。
 
機関投資家の間では、ESG評価の高い銘柄を買って、評価の低い銘柄を売る動きが進んでいる。三菱自は、調査機関の米MSCIによるESGレーティングでは19年10月時点で7段階中、下から2番目の「シングルB」だ。一方、ファイブスターは最上位の「トリプルA」のソニー保有する。「CMOS(相補性金属酸化膜半導体イメージセンサーの成長期待に加え、ESGへの意識が高いことが保有の決め手になっている」(大木氏)という。
 
ESG重視の流れは株価指数にも徐々に表れだしている。JPX日経インデックス400東証株価指数TOPIX)で割った倍率は2年前の8.86倍から8.95倍に上昇した。
 
三井住友DSアセットマネジメントが「日本株式ESGファンド」を18年に設定するなど、ESGをテーマにした投資信託は着実に増えているが、個人投資家への普及は道半ばだ。少しでも高いリターンを追い求める個人が多く、短期の値幅取りを目的としてあえて値動きの激しい不祥事銘柄を売買するケースもある。都内在住の50代の男性は「消費者の健康を損なうという点でESGの評価は低いが、投資指標面では割安な日本たばこ産業を買った」という。
 
〔日経QUICKニュース(NQN) 末藤加恵〕