藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

一気通貫の先

*[ウェブ進化論]物流網総まくり。
日経MJより。
「EC業者」と「倉庫」の間をとり持つビジネスが好評だという。
しかも倉庫をネットワークしてシェアするらしい。
シェアビジネスというのはつまり「隙間をなくす」ということだ。
EC業者とユーザーは一足先にクラウドに移行しているが、いよいよ「リアル物流」もプラットフォーム化されるらしい。
(というか案外穴場で気づかなかった)
どこの倉庫にどれくらいの量の空きが、いつからいつまであるのか。が把握できれば倉庫の効率化ははるかに進む。
さらにそれを運ぶ「トラックやさらに一般の乗用車」もネットワークしていけば人も貨物も「究極の物流網」が完成するかもしれない。
さらに自動運転車やドローンで無人化が進めば人の仕事は「物流業務」ではなくなるのではないだろうか。
フォークリフトで荷物を積んで、長距離トラックを運転して荷物を運んでいた、というのが昔話になる時代。
すると物流以外でも、まーだまだそういう合理化の余地はあるに違いない。
ともかく「自分の仕事の合理化」を考える時代になっている。
 
 
 
  中小倉庫束ね、EC橋渡し 割安管理システムを提供 
 

インターネットを通じて商品を売る中小の事業者にとって、面倒なのが商品の保管や発送などの物流業務だ。物流サービスを一手に引き受けるのが2013年設立のスタートアップ、オープンロジ(東京・豊島)。1月末、新たな取り組みに乗り出した。

 
    倉庫はシステムから指示を受ける 
現在主力とするサービス「OpenLogi」では、アマゾンや楽天、ヤフーショッピングといった電子商取引(EC)モールに出店する事業者を主な顧客とする。商品の入庫や保管、発送の作業を、システムを通じてひとまとめして低価格で請け負う。
 
顧客は倉庫といちいち打ち合わせる必要がなく、システムを使えばどの倉庫に商品があっても簡単に保管や発送を依頼できる。返品や不良品処理にも対応している。
 
オープンロジは自社で倉庫を保有するわけではない。十数社の物流倉庫と提携し、システムを通じて倉庫の空き領域を把握、顧客の商品在庫の保管を割り当てる。倉庫側にとっては、オープンロジのシステムから指示があり、商品を倉庫から取り出し梱包して発送する形となる。つまりオープンロジのシステムは、EC事業者から見ると倉庫に、倉庫側からは荷主に見えるサービスとなる。

 
    荷主は画面で在庫状況を管理 
新たに打ち出したサービス「OPENLOGI Platform Connect」は一転、倉庫に向けたものだ。築いてきた倉庫管理システムを、初期費用やランニングコストを抑えて小規模な倉庫に使ってもらおうとする。
 
小規模な倉庫は自前の管理システムを持たなかったり、大口顧客である荷主や大手倉庫のシステムを間借りしたりしている。荷主ごとに異なる管理システムを使い、煩雑になるケースも多いという。
 
「3年で500社に導入し、業界で10%程度のシェアを握りたい」とアウトソーシング事業統括の相沢景介執行役員は意気込む。倉庫管理では各種のシステムが既に多数存在し安価なクラウド型サービスもあるが、新サービスの優位性を「業務の一元化と効率化」にあると話す。

 
    やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身 
オープンロジの既存のシステムは業態や規模が異なる荷主を抱える。倉庫側は通常、荷主ごとに個別対応を迫られるが、この違いをシステムが吸収。異なる荷主の荷物でもほぼ同じオペレーションで対応できる。新サービスにも引き継ぐこの特性が、業務の煩雑化に悩む中小の倉庫に響くと相沢氏は見る。
 
新サービスにはもう1つ大きな狙いがある。新たに取引を開拓する中小倉庫は、本業であるEC事業者向け物流サービスでの提携倉庫になり得るので、機能やサービス強化につながる。例えば、新システムを利用する倉庫が増えれば、全国の倉庫の空きスペースが一元管理できる。いくつもの倉庫を束ねたエコシステムを形成し、リアル倉庫を「クラウド化」できるわけだ。
 
成功のカギの1つが「倉庫事業者が負担に感じない」料金設定になるのは間違いない。相沢氏は「赤字を出すつもりはないが、既存のクラウド型サービスの5分の1くらいの料金にしたい」と話す。
 
スタートアップの試みが倉庫業界を変えていけるのか。注目していきたい。