藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

書籍とAI(2)

*[ウェブ進化論]要約される私たち。

これまでの「人類最大の叡智」と言っていいだろう言語。

その叡智の結集、と言っていいのが書籍だと思う。

その書籍について、今はいくつかのサイトで「おまとめコンテンツ」を配信しているが、今はまだ対象の数が3000点ほどと少ない。

Googleは人間の遺している書籍は1億3千万点ほどだと判定しているらしいので、「人類の遺産」が本格的にデジタル化されるのもこれからなのに違いない。

そしてその後の世界はどんなことになるだろうか。

 

いろんな論文や、小説やビジネス書や雑誌はどんどん「要約」されていくだろう。

もちろんテキストをじっくり味わいたい人たちは原典を当たればいい。

ところが、今やすでに「映画」ですら短縮された粗筋がyoutubeに上がっている。

これからの「ショートカット時代」に自分たちはどれだけの原典に触れることができるのだろうか。

 

そして強力なエージェントがAIである。

今は人海戦術でこなしている「書籍の要約」は、間も無くAIが全てを代替するに違いない。

自分たちの書いたあらゆるテキストは、その要旨をAIが分析し、せいぜい原稿用紙数枚にまとめてしまうだろう。

そしてその時に「220ページは必要だ」という今の出版スタイルはどうなるだろうか。

 

文芸書はともかく、すでにドキュメンタリーやビジネス書については「要約ってスッキリしていていいなぁ」思っている自分がいる。

 

これからは「要約されてもなお、そのディテイルを読みたい」という文章を残さねばならないだろう。

 

人類とAIの"合理化競争"が始まるのではないだろうか。