藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

人生の綾(1)

*[次の世代に]その一冊を探して。

よく「本棚はその人の人柄を表す」と言われる。

自分も本好きだが(本当は漫画の方が好き)結構自分の本棚を見るたびに「ははん」と思う。

あまり深みがないし、ハウツー本が多い。

あまり他人に本棚を見られたくはない。

そんなことはともかく。

 

講談社が主催している私の人生を変えた一冊フェアというのを見て思う。

実際に「人生を変えた一冊」というのはあるものだろうか。

シュバイツァー博士の伝記を読んで医者になった人の話を聞いたことがあるが、自分の職業や学びの選択に「書籍」はどれほどの影響を持つものだろうか。

 

そう考えてみると、本というのは実に知恵の塊であり、値段の割にはすごくお得な存在だと思うが、実際には「人との出会い」の方が自分たちへの影響は大きいような気がする。

(あの人に会ったからその後が変わった、というのはよくある話だ)

 

自分の場合は糸川英夫さんの著書を始め、衝撃を受けた本は何冊もあるけれど、それで人生が変わったかといわれるとそんなこともなさそうである。

だからなのか、通りかかるたびに丸善に立ち寄るのは「まだ見ぬそんな一冊」を心のどこかで求めているのかもしれない。(遠い目)

 

それにしても、「若きウェルテルの悩み」とか「ヴェニスの商人」よりも、小中学生時代に読んだ横山光輝手塚治虫さんの漫画のほうが、よほど今の自分に影響していると思えるのはどういうことだろうか。

(つづく)