藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

雇用なき経済回復はない、と思っているが。


だが一方で、先進国の「消費構造」も変わっているのかもしれない、と思い始めた。
先日、中国の友人が「便利な日本製の家電は欲しいけど、大排気量の車はもういらない」と言っていたのが印象的だった。
数年前の中国なら、まちがいなく「高額な高級車」が金持ちのステイタスだったのに。
価値観は動き始めると、意外に早くシフトするのかもしれない。


GDP速報


日経のシンクタンクによると2010は通年でプラス成長に復帰、1.6%だという。
国内需要はエコポイントなどが奏功して、+0.6ポイント、設備投資も前期比+1.0%とのこと。
輸出は前期比5.0%と相変わらず高く、輸入の伸びは+1.3%にすぎず。


日本は中国の春節特需で沸いている(銀座は中国人比率が一気に上がった)が、中国はなんと9%成長を見込むという。
そして「米国経済は09年10〜12月期は年率5.7%成長見込み」とのこと。
日本だけが置いていかれ感、がありそうだがどうだろうか。

二番底は


失業率も改善せず、このままではすまないだろうな、と自分は考えているが、それはともかく。
一番底の次は、「それ二番底」という簡単なものではないのかもしれない。

それは人々の消費、とか価値観のシフトである。

日本の都心にいると、かなりはっきりと「もう単価の高すぎる消費はしたくない」という本音の声が聞こえるように思う。


ここ二十年の「金融工学主導の経済環境」への反省もある。
一度、実質本位の「身の丈の経済情勢」に帰ろう、という気風を最近感じるのである。
結局80年代以降の「三十年」は何か二十世紀最後の「成長熱」に浮かされていたのかもしれない。
政権交代は象徴的な出来事になるかもしれないが、2010年が節目の年になるかもしれない、と思いながら自分の環境もウォッチしていこうと思った二月、後半の初日でした。



<nikkei webより>

2010年度の実質成長率1.6%に・NEEDS予測


 日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、2月15日に内閣府が公表した2009年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報を織り込んで予測したところ、09年度の実質成長率はマイナス2.2%の見通しとなった。
年度ベースでは2年連続のマイナス成長だが、四半期ベースでは09年4〜6月以降、前期比プラス成長が続いている。
日本経済は緩やかに拡大し、10年度はプラス成長に復帰、1.6%の成長が見込まれる。


内需もプラスに転じた10〜12月期

 GDP速報によると、10〜12月期の実質GDPは前期比1.1%(年率換算で4.6%)増と3四半期連続のプラス成長となった。

 国内需要は7四半期ぶりに前期を上回り、成長への寄与度は0.6ポイントだった。

エコポイント制度など消費刺激策の下支えにより個人消費底堅い伸びを続けたことに加え、設備投資が前期比プラス1.0%と増加に転じたことが大きい。
住宅投資のマイナス幅も縮小している。

 一方、外需の寄与度は0.5ポイントと、3期連続して成長を押し上げた。
輸出が前期比5.0%増と高い伸びを保つ一方、輸入の増加は同1.3%と緩やかなものにとどまった。

 また、名目GDPも前期比0.2%増と7四半期ぶりに上昇した。


輸出は堅調に増加

 輸出をけん引してきた海外経済は今後も順調に改善を続ける。
通関輸出額の約半分を占めるアジアでは、中国を筆頭に景気回復傾向が続く。
中国政府は経済方針を決める中央経済工作会議で、10年も「積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を継続する方針を表明している。
資産バブルやインフレを抑制するための預金準備率の引き上げなどにより、設備投資の成長への寄与は09年に比べ低下するが、農村部での家電購入の補助金増額など個人消費を軸とする景気拡大を目指す経済政策がとられることから、10年の中国経済は9%を超える成長となる。


 米国経済は09年10〜12月期は年率5.7%(速報値)の高成長となった。
10年1月には失業率が前月比0.3ポイント低下、ISM製造業景況指数が好不況の分かれ目である50を6カ月連続で上回るなど、経済指標は米経済が着実に立ち直りつつあることを示している。
米国経済は10年、前年比3%近い成長となりそうだ。


 中国などアジア向け輸出の増加が続き、対米輸出の回復基調も維持されることで、10年度の実質輸出は前年比9.6%増と3年ぶりに10%近い伸びを取り戻す。



企業は引き続き設備投資に慎重

 7四半期ぶりに上向いた設備投資だが、10年度の伸びは前年比2.2%増と緩やかなものにとどまる見通しだ。

 生産や企業収益は改善しているものの、設備の過剰感は依然強い。
製造業全体で見た生産水準はまだ、景気の山だった07年10月の8割程度。稼働率の回復も同程度にとどまっており、生産能力の増強に乗り出す環境にはない。
また、収益が順調に回復しているのは主に輸出、もしくは政府の消費刺激策の恩恵を受けた業種で、明るさが広がる状況にはなっていない。


 収益回復が遅れている非製造業は、設備投資に一層慎重な構えだ。
日本経済新聞社の2月12日時点の集計では、3月期決算の上場企業(上場子会社・金融・新興3市場を除く)のうち4〜12月期決算発表を終えた1558社の10年3月期の経常利益は、全体では前期比12.4%増と2期ぶりに増えるが、非製造業に限ると10.4%の減益となる見通しだ。
設備投資の先行指標となる機械受注統計では、非製造業(船舶・電力除く)からの受注額は一進一退の状況が続いている。
非製造業の設備投資が盛り返すのは、10年度後半以降にずれ込みそうだ。



消費は年後半から徐々に上向く

 設備と同様、雇用の過剰感も依然解消していない。
10年の春季労使交渉では2年連続で「雇用維持」が重要課題となっている。
雇用・所得環境は当面厳しい状況が続き、個人消費は、エコカー減税、エコポイント制度といった政策の下支えがある耐久財を除き振るわない。
これまで消費を支えてきた耐久財消費も次第に勢いを落とし、消費は目先、やや減速する公算が大きい。


 しかし、消費が底割れすることはない。
毎月勤労統計によると所定外労働時間(残業時間)は、生産が持ち直している製造業などを中心に増加している。
1人当たり雇用者報酬は10年度も前年割れが続くと見られるが、残業代などの改善もあり09年度より減少幅は縮まる。
また、企業の収益回復によって失業率は幾分改善に向かう見通しだ。
6月以降支給が開始される子ども手当による押し上げ効果も期待でき、名目の個人消費は前年とほぼ同程度の水準で推移する。
一方、物価が下落することから、10年度の実質個人消費は前年比1.1%増となる。



10年度は3年ぶりプラス成長へ

 海外景気の持ち直しを背景に輸出は安定的に推移、外需の実質成長に対する寄与は10年度通年で0.7ポイントとなる。
消費、設備投資とも徐々に上向き、内需は夏以降、回復軌道に乗りそうだ。年度を通してみると、消費は0.6ポイント、設備投資は0.3ポイント成長を押し上げる。
公共投資は当面、成長の下押し要因となるが、10年度は内需、外需がともに拡大し、実質GDPは前年比1.6%増と3年ぶりにプラス成長となる。

 もっとも、需給ギャップが縮小せずデフレが続くため、実際の感覚に近い名目GDPの成長率は0.7%にとどまる。